第3話 次は大手に入会しました

 短大卒業して、東京駅のドまん前にある本社の一階に入居してた子会社に通いながら、一年間懸命に貯めた諭吉を夜学に突っ込み、日中は会社員、夜は学生生活を2年間送った。

 無事、卒業の見込みがたったので、退職を申し出たのだった。

(その間、寝る時間を削って同人誌の原稿と夜学の課題を掛け持ちし、ドリンク剤を飲みまくって3日完徹して、年末インフルでぶっ倒れたことがある。よくやったね若かったねアホだね)


 上司に『もらった給料で学校行って、転職って、いいご身分だねえ』なんてチクチク嫌味を言われたのを思い出す。


 タバコの煙で事務室がモクモク状態の時代だったから、所詮ペーペーの腰掛け女だと思われてたし、どうなろうがどうでもよかったんだろうけども、言わずにはいられんかったんだね。

 なんちゅーか、まぁちっちゃなハートがお可愛いこと。

(社内旅行先で尻触られて、涙ながらに自分の両親に報告したのを忘れてはおらんぞ。当時はセクハラなんて言葉もなかったけど)


 そこからそこそこ中堅の印刷会社に専門学校(夜学卒業の)新卒として入社したのだけど、入社一年過ぎた頃にバブルが弾けて社員整理が始まった。

 一度目の整理では名前が入ってなかったんだけど、いずれ切られる可能性を考えて退社。

 職業訓練校に半年通って、トレース検定の2級を取った。


 今はもう存在しない検定(手書きトレースの職自体が消失した)なので白状するけど、職業訓練校内で検定試験が行われていたため、提出する前に教師が率先して試験答案の間違いを本人に直させて、筆記試験を通過させてたなー。(^^;;

 重要なのは実技だったので、そのあたりはユルユルだったのかもしれんけど。

 そもそもこの検定、職業訓練校内で受験した者が落ちることはなかった気がする。


 そこから自分で就職先を探して、川崎の駅近にあったT芝の下請け印刷所に滑り込んだ。

 しかし零細企業だけあって自分の会社の自覚があり過ぎるワンマン社長だし贔屓ひいきの若い子だけ給料が良かったり(一方でこっちは最低賃金)、就業時間過ぎてから当日仕上げの仕事を持ち込む営業、深夜残業のブラック、中年ジジイのパワハラセクハラ問題やら同性上司の陰湿いじめやら、いろいろありすぎて小さい会社は、集まる人がダメだと心底腐ると実感した。


 ここにいたら心がしぬ、と思ったとき、ライブ友が働いていた大手の外資系某コピー機会社のデザイン部門に契約社員として入れる情報をくれたのだった。

 いわばライブ追っかけで得た縁も、決して無駄ではなかったことになる。


 ありがとう、T(P?)さん!!!


 正直なところ、このキッカケがなかったら結婚できてなかったかもしれん。

 渡りに船で、とっとと(花嫁修行すると嘘ついて円満)退職してそっちの会社に移った。


 給料面は安かった(Macを使用する技術職だったけど、雇用は事務だった)ものの、職場は家から近い(ドアtoドアで30分)し、とにかく就業環境はクリーン、海外の有名な建築家デザインの一区画にあった綺麗な高層ビルの職場で、人間関係も大変良好で申し分なかった。


 契約社員だけど、働き先は大手になったので記載の条件が良くなったこともあって、再度結婚相談所に入ることにした。

 現在は、楽天の系列になっているオーネットである。


 ここでの婚活が大きく自分の運命を変えることになる。


 結婚相談所に入っていなかった期間、雑誌に掲載されてる合コンに参加したり、会社の福利厚生で使えたスポーツジムのクリスマス会や、専門学校の同窓会で初見相手の出会いとか、同僚の知り合いと合コン(なぜか自衛隊員の集まり)とか、まったくなにもしてなかったわけではなかったのだけど。

 上手くマッチングすることもなく、毎日が過ぎてったわけ。


 雑誌募集の合コンってね、リスクが高すぎるんですよ。


 有象無象うぞうむぞうが紛れてるからね…あとその場の雰囲気と情に流されて、そんなに興味のない人とカップルになってしまったり。

 反省点はたくさんある。


 あの手の合コンは別に結婚したい人間ばかりじゃないし、下手すると既婚者もいたりするし。遊び目的で、危ないのも紛れてる。


 このあたり、実は結婚相談所でも重大な問題になってた件でもある。


 続く。

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