眠れない夜の小説

 夜が嫌いだ。眠れないから。

 誰か俺と夜中に数えた羊の頭数でバトルしようじゃないか。ちなみに俺は311489匹だ。おおよそ八年間、一日106匹という計算になる。

 ところで、この夜中に羊を数えるという入眠方法。英語でSHeepシープとSLeepスリープが似ているからというあまりにしょうもない理由であり、日本語で羊と言っていてはなんの意味もないらしい。

 それを知ってから、俺は夜中にそれまで数えてきた羊を一匹ずつ殺して回っている。現在殺した数はおおよそ半年で9211匹。残りは302278匹である。

 あと、俺はそれを教えられた時、あまりにムカついたのでそれを教えてきたやつを夜間の妄想の中で丸々二週間、14回は殺した。まあ現実では一回しか殺していないが。

 そんな俺ではあるが、別に日中眠くなったりするわけではない。睡眠不足というわけではないということだ。

 俺の夜は眠ろうとして羊を数え、あるいは殺しているうちに、知らない場所にたどり着いているところから始まる。

 大体は、時計を持って走っているウサギが横を通り過ぎていくので、それを追いかけるという流れである。ウサギの足は速いが、まあ、今では三日に一回はその場で捕まえられる。

 この、ウサギを捕まえるのにもコツが有り、基本的には、(ここで未完)

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