ダヴィデは川岸から軽くて硬い石ころを数個拾い上げると

夢見の少女セツラより預かった、柔らかいが伸縮性のある布生地に巻き付け、子ロバの衣を編み込んだロープに結わい付けると、素早く懐に忍ばせた。

「私は小さき器であるが、起源の主なる方の力を受け、大胆に戦う事が出来る！私の心は熱く燃えているのだから！

我々は、圧倒的な勝利者の前に

どのような強敵あろうと

恐れるに足りない。私は必ず勝つ！！

この勝利は、揺るぎない事実である！

起源の主よ！！

この戦いの主役は、間違いなくあなた様です。

私はただ遣わされた器に過ぎません！

全ての勝利はあなたのモノです！

さぁ！時が来ました！

敵将ゴリアテの首を我が手に！！」

◆

ダヴィデは、信じられない速さで駆け出すと

ゴリアテの周囲を周り、ゴリアテの目で追えない程俊敏に動き、懐に潜めていた小石を、全身全霊の力を込めて、ゴリアテの眉間に目掛けて解き放った。

ゴリアテは、放たれた小石の刃が食い込み

神経が麻痺し、意識を失った。

そしてダヴィデは、忍ばせた懐刀で、ゴリアテの首を深く傷つけ、絶命に達した。

「起源の主よ！

敵将ゴリアテの首を打ち取れました！

この勝利はあなた様のものです！！！！！」

アバラハ軍は、突然の勝利に鬨の声を上げ

残された軍隊に致命的な大打撃を与えた！

「我々の勝利だ！！！！！！」

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