第3話 「初代国王サウジ」

セツラは、アブラハ族12部族の内ユダ族に属しており、夢見の一族の血がより濃く刻まれており、かつて7年間の大飢饉が起きた時代のセツラ皇帝に匹敵する潜在能力があると噂されていた。しかしまだ幼き少女であり、ユダ部族の長老は、彼女の類まみれな能力に圧巻され、敬いつつも・・どのように扱ったら良いのか・・手に余る存在であったが、彼女が居つく間、村は繁栄し、多くの収穫を得る事ができた。


それ故、毎年、不作が続く村へ招かれ、豊作を祈るよう求められていたのである。


セツラには従者が数人いたが、兄ラバンが後見人となり、セツラの護衛を行い、セツラに危険が及ばないように目を光らせていた。


何故ならセツラの存在を疎み、悪根の呪術者の組織に加味する輩達がいたからである。今回蛮族の野党に情報を流したのも彼らであった。



数か月前の出来事である。

セツラは、レビ族の預言者サムルと出会った。サムルは、彼女の進むべき道を明確に示した。セツラは預言者サムルとの出会いに運命を感じ、セツラ自らも未来に続く険しい道のりを察した。幼い少女セツラにとってアブラハ族は弱小国家であり、カナン地域の支配力を強めるペリシテ族の圧政に苦しんでいた。収穫時期に村々が襲われ、女子供が奴隷として連れていかれる事もあり、彼等の苦しみは天に届く程であった。


憎きペリシテ族の手から我らアブラハ族を救う王が必要だ!人々は預言者サムルに一族を強固にする為に王を求めた。サムルは王など必要ない!と王の任命を拒んでいたが、起源の主の示しを受け、アブラハ族はアブラハ国家として宣言し、ひとりの若者を初代国王に任命した。


彼の名は、ベニヤ族の頭サウジである!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る