Freeman日記〜暇人高校生の短編集〜

黒潮梶木

雨上がり

夜に響いていた雨音が嘘のようだ。イチョウで輝く雨の残り露は朝日に照らされ輝いている。薄く青い空は冬を知らせていた。しかし暖冬とでも言うのか、長ズボンを履くほどでもないぐらいとても心地よい気温だ。

暇人とはいえ、僕も高校生。テストがかなり近い。机に座り、ノートを開く。意味のわからん文字式に、僕は大きくため息をついた。シャーペンを持った途端に脳内に溢れ出すドーパミンで溺れかえる…なんてことが起こったら誰も苦労はしない。不意に窓の外を見た。綺麗な青い空に鉛筆で書いたような電線が邪魔している。窓を開けると、心地よい風と共に、窓を開けた衝撃でイチョウにあった雫がポタリと落ちてきた。澄み切った空気に響くその音は、勉強づけで疲れきった僕の心に驚くほど響き渡った。これぞまさに1/fの揺らぎとでもいうのか。そんなこと考える暇もなく、僕は堕落の楽園へと潜り込んでいた。柔らかく、暖かい、学生の敵であり、救世主である。明るい朝日と裏腹に僕は心地の良い暗闇へと向かうのであった。




こんなこと書いてるけど、結局は2度寝したってことよ。朝の二度寝は深夜の家系ラーメンと同じぐらいギルティであり最高である。

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