第13話 告白

「私小学校の頃に癌になってもう治らないんだ」


 何も言えなかった。なんて声をかけたらいいのか分からなかった。大丈夫だよなんてそんな言葉僕が言えるわけない。


「でも修学旅行に行けてよかった! 本当にあっという間だったよね。今までで一番楽しかったと思う。ともやくんのおかげだよ」


 彼女は泣いてくしゃくしゃになった顔で無理矢理笑顔を作り僕の方を見つめた。


「僕も君のおかげで楽しかった」


「生きててよかったでしょ? もうあんなことしたらだめだからね。約束だよ。」


「約束するよ」


「はい! 暗い話は終わり! お腹すいた何か買ってきて!」


「わかったよ。適当に下で買ってくるから待ってて」


「チョコは甘いやつね!」


 お菓子を買うために病室を出た。エレベーターにのる直前で飲み物も買おうと思い、飲み物の好みを聞きに行こうと一旦病室へ戻った。

 扉を開けようとした瞬間、鼻をすする音が聞こえた。バレないように少しだけ扉を開けると彼女は下を向きながら泣いていた。やっぱり辛かったんだ。何かしてあげたいが今は見られたくないだろうと思いお菓子を買いに行くことにした。


「もどったよ。はいこれ」


 彼女にお菓子とジュースを差し出した。


「こんなにたくさん! お金渡さないと!」


「大丈夫だよ。今回は奢りで」


「じゃあお言葉に甘えようかな! 一緒に食べよ!」


 それからお菓子を一緒に食べながらたくさんの話しをした。小説を最近書くようになったことや学校でのことを話した。彼女はいつも以上に大袈裟なリアクションをしていたこともあり話すのが楽しくなっていた。


「ともやくん今日はありがとうね!たまには顔出してね」


「毎日くるよ」


「それはさすがに悪いよ!」


「そんなことない。君とたくさん話したい。僕の今したいことなんだ」


「もしかして惚れてるの?」


 ニヤニヤしながら彼女がからかうように言ってきた。


「そうだよ。君が好きだよ」


「本当に…?」

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