第11話 彼女の謎

 修学旅行三日目は帰ることがメインだったこともありあっという間だった。こんな日がずっと続いてほしいなと思った。しかし、いつも通りの学校生活は始まる。


 次の日の放課後、部活に行くと彼女はいなかった。少し寂しい気持ちもあったが、僕は小説を書いた。最近は小説を書くのが楽しくてよく書いている。先輩達にも小説を見せて褒められることがあり、ますますやる気になっていた。集中しているとあっという間に下校時間になり帰宅した。今日はこなかったな。


 次の日、さらにその次の日も彼女は学校にこなかった。メールを送っても心配しないでと返信が来る。

 そして彼女が休学するという話しを昼休みに友達から聞いた。彼女のクラス担任がホームルームで話していたらしい。

 僕は急いで彼女にメールを送った。


『休学したってきいたよ。どこかわるいの?』


 彼女からの返信はなかなか来ない。午後の授業は集中できなかった。普段は携帯を使わないが今日だけは気になってしかたなかった。彼女は前から休んでいたこともあり嫌な予感がした。

 放課後になり、携帯に一通のメールがきた。携帯のロックを解除しようとしたが手が震えてなかなか開けない。彼女になにかあったらと思うと怖かった。


『ちょっと体調崩しちゃっただけだから大丈夫だよ!』


 そんなわけがない。それならわざわざ休学なんてしない。しかし、彼女には言いにくいことがあるかもしれない。

 そんなことを考えながら僕はお見舞いに行きたいと言った。最初は大丈夫と言ったが、僕がどうしてもと言ったことで彼女は折れた。彼女から病院の住所が送られてきた。学校終わりすぐに向かった。

 病院の道のりは学校前から出るバスで二十分ほどだった。病院ということもあり入院しているのだろうか。僕の想像はどんどんと悪い方向にいく。彼女に会って確かめたい気持ちと真実を知るのが怖い気持ちが入り混じっていた。

 病院に到着し、お金を払いバスを降りた。病院の隣に花屋さんがあったので彼女らしい明るい花を買い、彼女の所に向かった。

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