冬、遮断機の側で君思ふ。

冬四

『カン、カン、カン』


 冬、遮断機が音をたて道を塞ぐとき、ふと君との別れを思い出した。

 一年ほど前だろうか今と寒さ変わらぬ冬の頃、君は別れを告げた。

 遠距離で、私は遊び人だったから君の心臓は保たなかっただろう。

 それでも高校から6年間、君は連れ添ってくれた。


「ありがとう、愛してる」

 線路に添えられた君と同名の菊という花が君宛ではないことを願いながら呟く。

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冬、遮断機の側で君思ふ。 冬四 @hima_tansansui

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