第29話 指導

イノシシを倒した後、どんどんやってくるゴブリンを相手にして結局二十のゴブリンを撲殺した後、グレイス団長が様子を見に来た。


「ああー。やっぱりこうなっていたか」


「やっぱりってどういうことですか?」


「イノシシを倒したことは予想外だったがゴブリンには襲われたかっていうことだな。まあ二十も討伐できるのであれば腕の方は問題ないだろ」


「ゴブリンじゃ相手になりませんでしたね」


「それで反省会は済んだか?」


「自分なりには考えてみましたが何も分かりませんでした」


「それでいい。考えることを止めるな。だが、戦闘中に余計なことを考えるなよ。死ぬぞ」


「はい」


「それはいいとして、これらのモンスターを全部持ち帰るぞ。往復になるが体力向上のためと思って諦めてくれ」


「イノシシはともかく、ゴブリンは使い道がないと思うのですが?」


「それがな。庭師のジョーンズさんがガキどもにコンポスターっていう堆肥を作る者の作り方を教えちまったらしいんだ。それでガキどもは【合成】の練習で気合を入れて量産しちまった。そして強化合成まで済ませちまってすごい勢いで堆肥を作っているらしいんだ」


「それで堆肥に出来るものなら何でも欲しいというわけですか・・・」


「ああ・・・」


その後は無言で狩った獲物を孤児院に持ち込んだ。ちなみにコンポスターは+4まで強化されたものが四台設置されており、現在フル稼働しているようだった。


俺たちは十往復して何とか獲物を運び終えた。体力的には疲れ切っていたがこの後にも仕事が待っている。


まずは仲間内で剣術+2を【合成】して作り出し、カインの剣術+2と【合成】してカインの剣術を+3にした。その後、神殿騎士団の一人の剣術+3と【合成】した。


この要領でカインの剣術を+5まで上昇させ、俺の剣術を+6にまで上昇させた。


カインは剣術スキルを失ってしまったが代わりに暗殺者と思われる人から短剣術スキルのレベル3を【合成】していた。


アインは剣術スキルをレベル5まで上げて本日の強化は終了した。これで確保している神殿騎士たちの中に剣術スキルを持っている物がいなくなってしまった。今後は他の子供たちに他の武器スキルを【合成】していくことを俺たち三人とじいちゃんで話し合った。



★☆

ルーク

神技【合成】

スキル

【剣術+6】

【水魔法】



★☆

アイン

神技【合成】

スキル

【剣術+5】

【盾術】

【水魔法】



★☆

カイン

神技【合成】

スキル

【短剣術+3】

【暗殺術】

【水魔法】


流石に神殿騎士たちを養っていくのも大変になってきたが、まだ神技を【合成】の力でどうにかできるかの実験が済んでいないため明日はその実験をすることになった。


______________________________________

作者の一言

【合成】と言うより【強奪】になってきたなと思う今日この頃

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何でも作れるが専門家には劣る合成が実は最強だった件 るいす @ruis

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