第4話 修繕の日々

元孤児院を修繕し始めてから七日が経過した。床はほとんど修繕し終えたが問題は天井だ。上は危ないからと登ることを禁止された。


「神技はある程度万能じゃ。上に昇ることなく天井と二階の床を修繕して見せるのじゃ」


「ちなみに修繕の方法や神技をうまく扱うコツはありませんか?」


「そんなものは自分の胸に手を当てて考えてみるのじゃ」


俺は五歳児のため本当に胸に手を当てて考え始める。その光景を見てじいちゃんはなんとなく悲しそうな眼をしていたのが印象に残った。


時間だけが過ぎ、いつの間にかじいちゃんがいなくなっていることに気づいた俺は一つのひらめきがあった。


【別に合成対象が手元になくたっていいじゃないか】


思い立ったらすぐ行動。新品の木材と腐った木材を合成してみた。結果は腐った部分がホロホロになった程度の差しかなかった。


まあ改善しているからいいとして何度も遠隔で合成を発動させる。一部屋の天井を終えるのに二時間かかりまた床に突っ伏していた。


「起きたかのぅ。また頑張ったようじゃの。神技のレベルが上がっておるわい。それと修繕した天井を確認したのじゃが天板+となっておったぞ。何か神技に変化を感じないかのぅ?」


「良く分かりません」


「まあ突如使い方がひらめくことがあると聞いたこともあるしの。気長に孤児院の修繕を頑張るのじゃぞ。諦めることは許さんからのぅ」


じいちゃんは手を抜くことを嫌うから俺はどこか手を抜いていたのだろうか?


そう思いうんうんうなっているとじいちゃんが声をかけてくる。


「何をうなっておるのじゃ?とりあえず今日、修繕した天板を確認してきなさい」


俺は走って天板の確認へ向かう。何と言うことでしょう。あの一部が腐り果てていた天板が今ではきれいな木目の見える天板へと置き換わっているではありませんか。


それに天板に何か違和感があったためジーっと眺めているといきなり目の前にボードが現れた。



木の板+1

頑丈▲

防腐▲

清潔▲


何だこれと思いつつも頑丈にタッチしてみる。すると表示が変化した。


木の板+1

頑丈+1

防腐

清潔


首を傾げながらぼーっとしているとじいちゃんからお呼びがかかる。


「いつまで天板の確認をしとるんじゃ。次はこっちの部屋じゃぞー」


俺は急いでじいちゃんのところで向かい。天板の修復に励んだ。まあ一部屋修復したらまた倒れたのだが・・・。


目が覚めるといつもと変わらずじいちゃんが目の前にいた。


「また神技のレベルが上がっとるわい。こんなにポンポンと上がるのは見たことがないぞ。ルークには才能があるのかもしれんのぅ」


そう言われ照れていると。


「まあ明日からも孤児院の修繕の日々じゃ。まあご褒美として自由時間を少し与えてやろうかのぅ」


なんだか最近じいちゃんが厳しく感じるのであった。

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