第24話 ~2022年12月19日の話(学童用の就労証明書)~

2022年12月29日更新


夕方、妻がパートの仕事を終え子供たちと帰ってきた。元気がない。妻の異変はすぐに分かる。顔の表情、言葉が少なく、機嫌の悪さが雰囲気に出る。


「何かあった?」と尋ねた。

学童に提出した私の清掃会社で記載してもらっていた就労証明書が通らなかったという。


幼稚園年長の次男が来年の春から小学校に入学する。放課後に学童に預けないと妻がパートを続けられなくなる。

就労証明書の記載の中で、私の雇用契約期間が今年の12月末までと記載されていた事が原因らしい。確かにそうだ。来年の4月以降に学童に預けるのに、私の仕事の契約期間が12月まででは、4月の時点で私は無職になり私が次男の面倒を見ることができる。これには気付かなかった。しかし、もう私は清掃の仕事は辞めてしまった。


辞退が急展開した。妻によると不備のない私の就労証明書が2月くらいまでに必要らしい。つまり、残り約2か月半で私は無期雇用の職に就かなくてはならなくなった。


そしてもう一つ妻が元気のない理由。学童の所員達に自分の夫が正社員ではなくパートの仕事をしている事がバレた事だった。学童には毎日のように長男のお迎えに行っている。そのたびにこれから妻は色眼鏡で見られるのだ。小さな町だ。噂も広がりやすい。それが学校のママ友にも広がりかねない。妻に恥をかかせた事に気付いた。


私は妻に謝った。

「ごめんね。恥をかかせて。自分の旦那がパートをしていて、しかも契約期間が今年の末までのような短い期間だったら、それは恥をかくよね。ごめん」。


とにかく残り2か月半で正社員になって就労証明書を提出できるように頑張るからと妻に約束した。

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