第6話カタールW杯の物価事情(ボッタクリの旅)

現在ドーハは11月29日午後2時半過ぎ。今日はアップするのがこれで 3本目か、4本目?とにかく、書ける時、そして電波事情が許す時に一気に書かないと、なかなか話が進まない。


 今日はコンテナハウスをチェックアウトして、4日ほど前まで泊まっていた同じ施設Barwa Barahat Al JanoubのクラスターL(前回はクラスターT)のビルへチェックイン。部屋が1階なのが良いのと、ロッカーがスチールのガタガタのではなく、安っぽいが木のに変わっている。最大の問題は、部屋に窓が1つだけ。これで前回よりも30ドル高い1泊120ドルと、とにかく高い。


 そこで今日はカタールの物価事情、というか、ボッタクリ事情、英語で言ったらQatar pay through the nose の旅にご案内。

 まずは何と言っても、カタール式おもてなしを満喫できる施設コンテナハウスのファンビレッジから。ここは中心の軸線がメインの通りになっていて、そこに屋台のスタバからハンバーガー、ピザ屋などが10数軒軒を並べている。値段を見ると、クロワッサン、オムレツ、パンケーキにジュースとコーヒーの朝食セットが紙の皿付きで2000円。その夕食版はパスタにサラダとプリンのデザートで2400円。昼食の方が重きを置くのか、昼食セットはサラダに本日の定食(ライスにチキンのプレートなど)とデザートにコーヒーで2800円なり。ハンバーガー屋を覗くと、ハンバーガー、これは宗教上の問題でチキンバーガーが1600円。ポテトとソフトドリンクをつけると、それに800円アップとセットで2400円と値段だけは超豪華。一昨年だったか、京都のフォーシーズンズホテルでハンバーガーを食べてビールとコーヒーで1万円ほどした事があったが、値段だけはそのレベル。しかし、買っても、屋台の前にある数席のオープンエアーのテーブルで食べるか、自室のコンテナで食べるかのチョイスのみ。ここのホットドッグも1400円というから、このドッグは血統書でもついてるのではないかと思ってしまう。


 ここまで酷くはないが、街の大型ショッピングセンターのカフェなどでもパニーニとコーヒーで1600円になるので物価は高めだろうと思うが、スーパーの価格はそれほどでもない。コンテナのファンビレッジでも、この現在いる施設でも大きさは異なるが経営が同じスーパーがあって、各国からのユニフォームを着たサポーターで賑わっている。


 例えばここのチキンバーガーは240円。これに少し小さめのピザを食べれば、私などは十分の量だが、このピザは120円と日本より安い。

 失敗したと思ったのは美術館。フランス人建築家設計の斬新なデザインのカタール美術館のチケットを買う時、料金表の表示が無い。幾らと聞いても、「他の美術館行きませんか、一緒のセットの方がいいですよ」などとセールストークが続き、それじゃあと、4つほどの美術館博物館を巡れるチケットを買ったら、値段が8000円。要するに、外国人からは取れるだけ取ろうという魂胆に見えてくる。スタジアムの飲物にしても、食べ物の料金表は出てるが、ドリンクは表示なしでビールが2000円、コーラ600円に水でさえ400円。


 カタールという国はオイルマネーで潤っていて、国民には医療や教育は無償で提供し、大卒者には家が提供され、それに何年か住むと自分のものになるという極めて異常なほどの金満国家である。それが、なぜこのW杯の時に、外国からの観戦者からセコく、荒稼ぎをしようとするのか、その意味が分からないし、その根性が意地汚い。中東の国とサッカーの試合をすると、ズル賢い、いやらしいプレーや中東の笛に遭遇するが、何か同じ考えが根底に流れているように思えてしまう。

 カタールは来年は中国が返上したアジアカップの招致に成功している。札ビラで頬を叩いて大会を招致するような事はしていない事を望む。


 私がW杯に初めて行ったのは2006年のドイツ大会で、ドルトムントでのブラジル戦だった。ドルトムントはあまり大都市では無いので、ホテルが少ないので宿泊施設は市が提供したメッセ(大きな展示会会場)の大きな空間を木のパーティションで区切ってスチールの2段ベットを置いたものに宿泊した。スチールのベットにはマットレスが無く、私はワイヤーの上にタオルや着るものを並べて寝た。ヨーロッパの旅行者は、スチールのネットの上に寝袋持参で寝ていた。そのベット一区画は何と1泊3000円。シャワーはシャワーだけのトレーラーが来て有料。その3000円も高いと感じる各国のサポーターは、駅や公園のベンチで野宿である。気候的にヨーロッパの6月は野宿が可能な季節である。これがW杯だと思った。昔、よく言われたのは、4年間一生懸命仕事をしてお金を貯めて、それでW杯に来るのがヨーロッパや南米のサポーターだと。今回のカタールでは、W杯に来れる人は金持ちのみに限られてしまって、本来のW杯の姿から乖離してしまうように思える。幸い、次回はアメリカ、カナダ、メキシコの共同開催なので、ここまで、その時期だけのボッタクリはない事を強く望む。

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