第30話⁂三人の恋の行方⁂


 

 アクア王国の妃、ダイアナ妃の御子息がアダム王子で、そのアダム王子に淡い恋心を抱くスプリング姫。一方のネバーランド王国のブラッド王のお姫様メアリー姫は、アダム王子のいいなずけ。この三角関係はどうなるのか?


 それにしてもあんな胡散臭い魔女ダイアナ妃だが、御子息があの優秀で美しいアダム王子だとは、何とも……因果な事。


 まぁ~!それでも…なんだかんだと悪態を付かれる魔女ダイアナ妃だが、チョット見方を変えれば、愛する夫や子供の為に死に物狂いで懸命に頑張る健気な妃なのだ。


 不甲斐ない先々代王や先代王のせいで、雀の涙ほどの国になってしまった実家マリン王国、更に結婚した愛する夫チャ-ルズ皇太子のアクア王国も、惨憺たる劣悪な環境の国だった。


 そのアクア王国を、一代でここまで立て直したのは誰有ろうダイアナ妃の尽力の賜物。


 だから角度を変えて見れば、愛する家族の為に懸命に尽くす賢母であるが、逆角度から見れば手段を択ばない冷酷無比な、それこそ百年ほど前に滅茶苦茶な政治を行い、狂気の独裁者と呼ばれたアドルフ・ヒ○ラーや、今尚悪魔の王国を支配する、ブクブク太った独裁者で、あの呪われた北○鮮の金○恩と何ら変わらない暴君ぶりだ。


 それにしても……あの金○恩氏、誠に無礼とは思うが、シ-クレットブーツを履いて身長を大きくサバ読みしているらしいが、あれだけ高いシ-クレットブーツを履いているにも拘らず五頭身にしか見えないってどういう事?スタイル悪すぎ?

 結局食べ過ぎで、顔の肉や身体の肉が肥大しちゃう人もいるのよね~?


「アッ!チョット脱線しましたね?テへへ」

 

 それでも…何だかんだと言われているが、一代でこれだけの国を築き上げたダイアナ妃には脱帽だ。

 赤い時計塔、黄色の新宮殿など、宮殿のさまざまな部分が美しく彩られた鮮やかな色合いで表現されている。

 更には……美しい建築物や、テーマパーク……そして…何よりも……幻想的な風景や……美しい景観を楽しむことが出来る。


 あれだけ劣悪だったアクア王国を、ここまでに美しい王国に築き上げた力は絶大だ。


 ◆▽◆

『ああ……チョット話が脱線してしまいご迷惑をおかけ致しました。それでは本題に入りましょう。そうそう、あれからアダム王子とスプリング姫、それにメアリー姫は一体どうなったのでしょうか?アッ!そう言えばメアリー姫が、こんな言葉を発していましたねぇ』


「あ~ら、あなたがスプリング姫?最近あなたが私の未来の旦那様で、未来のネバーランド王国の次期王であるアダム王子に急接近しているらしいじゃないの。一体どういうおつもりかしら?」


(エエエエエエ————ッ!「いいなずけ」が居たなんて知らなかった?なによ~「当然……異性としてず~っと、この海底都市にいて欲しいんだよ!」なんて告白めいた言葉を言っておきながら「いいなずけ」が居たなんて許せない!)


 アダム王子のことを許せない気持ちで一杯の、スプリング姫。


 アダム王子も「いいなずけ」が居ながら、よくも……うら若い少女の部屋に入り浸り、いい加減な事を言ったものだ。只のプレイボーイだったのだろうか?



 確かにいいなずけ契約を結んだあの時は、海底都市一のネバーランド王国のお姫様で、片やアクア王国は海底都市の中でも下層階級海底地域に属していたので、願っても無い話ではあったが、今やアクア王国はネバーランド王国と肩を並べられる程になってしまったので、すっかり逃げ腰になって居る。


 王子が誕生しないので、ネバーランド王国もいろいろ子作りに頑張っては見たが、とうとう王子が誕生しなかったので、メアリー姫が婿養子を向かい入れて次期王様を継承するのは分かるが、今ではアクア王国も類まれな美しい海底都市になったので、あえて婿養子に入るだけの価値がどこに有ろうか?


 ましてやダイアナ妃の策略で、主要都市を手中に収めているアクア王国、例え海底都市一のネバーランド王国と言っても、婿養子に入るほどの利点が全くと言って良いほど、見つからなくなってしまった。


 それに比べてスプリング姫は地上の全てを支配するフラワーフェアリー星のお姫様。いくら最近では海底都市で、一二を争うアクア王国になったからと言えども、所詮地上から埋もれた存在の、海底都市などたかが知れている。


 だから…その地上を一つに束ねるフラワーフェアリー星のお姫様で尚且つ、もっとも次期王に近い存在のスプリング姫は、このアクア王国にとって憧れの手の届かない存在。


 もう最初から軍配は、スプリング姫に上がっていた。

 メアリ-姫も到底歯が立たない。


 あの欲深いダイアナ妃なら絶対に、メアリー姫など押さないだろう。

 もう既に勝敗はついている。ましてやアダム王子はスプリング姫にぞっこん。

 二人の恋は成就するのだろうか?


 だが…そう易々行かないのが、この世の中。


 地上のフラワーフェアリー星の主要大臣たちが、こんな海底都市のちっぽけな、海の片隅に有る海底都市の王子など論外と怒り心頭。


 更には…地上のフラワーフェアリー星の、ホイットニー妃様と二人の姫ジャネット姫とナオミ姫が、すんなり王様の座を譲るとは到底思えない。


 まだまだ二人の恋には障害が立ちはだかって………。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る