第14話⁂妃の目論見⁂


 

 このお城では、他の星との親睦の為に、頻繫に盛大なパ-ティが開催されていた。

 

 そこには……あの流し目ロバ-トの姿も有った。


 何故、流し目ロバ-トが招待されたのか?

 実は…このホイットニ妃、めっぽう面食いで、イケメン軍団と言う組織をお作りになっている。


 その理由。

 読んで字の通り、フラワーフェアリー星『花の妖精』と言う星は、宇宙随一とも言われる程の幻想的かつ美しい星。


 それはそれは美しい、おとぎの国に迷い込んだような美しい光景が広がっている。


 闇夜に、淡いピンクの光やブルーの光を放ちながら無数の妖精たちが、天空を舞う姿は得も言われぬ美しさ。

 

 美しい花々が咲き誇り、ミステリアスでかわいい小さな妖精たちが、一面に妖精の粉を散りばめると、それはそれは美しい銀色の雨のような……?

 眩いくらいにピカピカ光りを放ちながら空一面に降り注がれた。


 すると、魔法の粉を浴びた妖精たちがブルーやピンクの光を放ち、一斉に蝶のような美しい羽を広げ、宵闇を無数に飛び立った。


 可愛く美しいだけではなく、幻想的な雰囲気を醸し出している可憐で神秘的な妖精。


 神話に登場するような神秘的な森や泉に水辺や木々、草花などが、色とりどりに咲き誇りそれはそれは圧巻である。


 この様な美しい究極の美を追及する国なので、男衆も美しくてはならない。


 そんな強いポリシーをお持ちなようで、どうも……聞いた噂によると、妃の命令でこの国の景観が乱れると言う理由から、「ぶ男達」はいわれのない差別に遭い、隔離されているらしい。


 そして…更には……冬にもなるとマイナス三十度以下になるので、他の星からの観光客も一気に減る。その期間三ヶ月程は、「ぶ男達」は自由に外出できるらしいのだが、寒くてとんでもない話。


 だから…運悪く「ぶ男」の烙印を押されると、とんだ悲劇が待っていた。

 それなので……恨みに恨んだ「ぶ男」集団たちが、秘密裏にお妃様の暗殺計画を企てる有り様。


 まぁ~?「ぶ男」、「ブス」、と言っても千差万別でこればっかりは、好みの問題なので、キッチリとした定義はない。


 お妃の判断にゆだねられている。

 何とも酷い話。

 何という酷い事を……。


 それでも…ブスな女性達はどうなるのか?

 ああああ~?女性は使い道が有るので・・・


 この星では妖精たちが、傍若無人に飛び回り、森の草、花や露、果物、穀物、はちみつなどを食べて散らかし放題。究極の美を追及する国であるのに、あちらこちらに食べかすが、散らかっていて大変な事になっている。


 その為人手不足に死苦八苦している現状化、女手が必要だ。

 だから…女性は必要不可欠なのだ。

 

 この様な偏った考え方のイケメン大好きなお妃様なので、大層イケメン集めに尽力されているご様子。


 そんな偏った考え方から、美男ばかりをお集めになり、演劇や歌謡ショ-、ホストクラブ等の運営に力を入れていらっしゃる。


 嗚呼~なるほどね~?それなら仕方がない。宇宙一の色男、流し目ロバ-トが招待されるのは至極当然の事。


 ◆▽◆

 それでは、お妃様と流し目ロバ-トの出会いを探ってみよう。


 それは……ある日の事だ。

 流し目ロバ-トが夜道を一人で歩いていると、ピンクやブルーの光を放った妖精たちが近づいてきた。


 最初の内は美しい妖精たちも数が少なかったのだが、やがて……その妖精たちが、星屑のように無数に広がり……その内に妖精たちが闇夜に星屑のシャワ―の様に光り輝き散らばった。


 それは……余りにも美しく……まるで……ピカピカ輝くブル―ダイヤモンドや、ピンクダイヤモンドが零れ落ちたようにも見えるが、一瞬……天から降り注ぐキラキラ光る眩いくらいの銀色の雨にも思えた。


「ワァ~~~な~んて綺麗なんだろう!」


 そう言ったか言わないかの、ほんの一瞬だったのだが、その煌びやかな塊が、一瞬にして美しい女神に変わった。


「私は妖精の女神です。あなたを夢の楽園にお連れします。どうか……どうか……私の跡に着いて来てはもらえませんか?」


 有無を言わせぬ凛とした態度に疑問は残ったが、余りの美しさと神々しさに、まるで夢遊病者の様に自然と足が女神の方へ向いた。


 こうして音楽プロデューサーの元に連れて行かれた流し目ロバ-ト。


 なるほどね~!これだけ魅力的で尚且つイケメンな流し目ロバ-トが、スカウトされない訳が無い。至極当然の事。


 

 ◆▽◆

 ホイットニー妃は、この星の公務で王様と視察に余念がない。


 ある日この星の一大イベントである、フラワーフェアリー星歌謡ショーが、華々しく開催された。

 そのショ—に招待されて出掛けた時だった。

 

 元々才能に満ち溢れた流し目ロバ-トだったので、すぐにダンスと歌唱の才能が開花して、新人としてショ-に出演していた。

 

 流し目ロバ-トが、歌とダンスを披露すると妃の目がギラリと光った。

 それはそうだろう。これ見よがしに皇族席、来賓席に、ギョロギョロこれでもかと 流し目を送っていた。


(嗚呼アアア嗚呼🥰🎶.:*:・'°☆あああ💘😚*・゚゚魅力的な💖あああ……何とも……魅力的な男性😍\(◎o◎)/!こんな魅力的な男性が、この星に居たとは?😍😍😍……それに引き換え・・・アアア嗚呼😔…王様の何とも……不細工な……ぶ男な事😰)


 こんな出会いがあり、早速流し目ロバ-トも、強引にイケメン軍団の仲間入りをさせられた。

 

 このイケメン軍団の主な仕事は、一体どのような仕事なのか……?

 女神が言っていた「あなたを夢の楽園にお連れします」とはいったいどういう意味が有るのか?


 フラワーフェアリー星の北部に位置するホイットニー妃の重要な仕事の拠点が有る地域なのだが、どうも…この妃は医学分野に突起した優秀な妃で、医師免許もお持ちの天才肌。

 

 雌雄異体生物の事例が極めて少ない為、性別が雌雄異体生物を生み出すのも至難の業。その為、研究に余念がない。


 *雌雄異体=一人が雌だけ、雄だけ。

 *雌雄同体=「雌雄モザイク」一人の身体に雌雄両方ついている。 


 過去の事例を見ても、雌雄異体の天才達を多く見て来た妃は、雌雄異体のクロ―ンを生み出す研究をしている。だから…夫である王様も、この地、ダーマンでの研究に、何よりもの期待を寄せて応援してくれている。


 そこで……イケメン軍団達は、何をするのかって・・・

 それは……妃の夜のお相手をする事。


 そんなこんなで招集された流し目ロバ-トだったが、元々才知に満ち溢れた流し目ロバ-トだったので、すぐにお妃様の目に留まり、すっかり流し目ロバ-トにハマってしまった妃。


(アアア嗚呼あんな、何の取り柄も無い、只々ブヨブヨ太ったぶ男。もう…うんざり、そうだ!クロ―ン作りと…もう一つの発明…殺しても証拠が残らない……薬をウッフッフッフ~?発明して・・・不細工な王様を・・・)

 

 ◆▽◆

 実はこのホイットニー妃、とんでもない目論みをお考えのようだ。

 お妃に甘んじているだけでは、気が済まないご様子。

 何とも強欲な。


(あんな高齢の王様なんかサッサとあの世送りにして……そして…私が王になり若い婿養子を向かい入れて権力をこの手に……そして…可愛い我が姫に次期王の座をゆずってウッシッシッシ~!)おばさんのクセして……どうも……若い男と再婚して、権力と若いイケメンをゲットしようと目論んでいるお妃様)


 あっ!そう言えば、マリリンはどうなったの?


 






























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