第13話⁂フラワーフェアリー星⁂


 マリリンと流し目ロバ-トは、その後どうなったのか?

 

 実は…宇宙船に乗り、フラワーフェアリー星に降り立っていた。

『花の妖精』と言う星だ。


 最初の内は、それはそれは美しい花々や妖精たちに囲まれ、充実した日々を送っていた二人だったが、最近にわかに暗雲が立ち込めている。


 どうも……最近は、お金も底を付き、更には……マリリンにとんでもない異変の数々が起こり出していた。


 一体どういう事?

 実は…とんでもない事態に陥っていた。

 あれだけ魅力的だったマリリンに、信じ難い変化が起こっていたのだ。


 整形とは美を追求する人達にとって、願っても無い救世主なのだが、どうも…時間の経過と共に変化するらしい。

 

 やはり……半年から一年ぐらいでメンテナンスを行う必要が有るらしい。

 実は…マリリンは整形依存症で頭の先から爪の先まで、全面整形を繰り返していた。

 唇💋と鼻にはヒアルロン酸を打ち、唇をプルンプルンにして、更には鼻を高くしていた。顔のエラが張っていたのでボトックス注射を、お尻には脂肪注入とヒアルロン酸注入していたのだが、顔も時間の経過と共に醜くなり、お尻も最近はいびつに垂れ下がり目を覆いたくなる状態にまで劣化している。


 第一に、お尻フェチの流し目ロバ-トの落胆ぶりは相当なもので、最初の頃のラブラブぶりとは打って変わって二人の間には秋風が吹き始めている。


 顔面とボディ―崩壊で、見る影もなくなってしまったマリリンが、疎ましくて仕方がない。


 ◆▽◆

 それでは、この星のあらましを紹介しよう。

 

 地球上にも意外や、とんでもない生物が存在する。

 動植物の中には、半分オスで半分メスの「雌雄モザイク」のミミズや、カタツムリ、植物にも多種の「雌雄モザイク」が存在する。

 

 フラワーフェアリー星の王様ケビン王には、三人のお姫様がいる。

 二人の姫は半分オスで半分メスの「雌雄モザイク」の妖精である。

 一番下の姫だけは雌雄異体の雌の妖精。


 *雌雄異体=一人が雌だけ、雄だけ。

 *雌雄同体=「雌雄モザイク」一人の身体に雌雄両方ついている。


このフラワーフェアリー星は「雌雄モザイク」の星で、殆どの動植物が、半分オスで 半分メスの「雌雄モザイク」である。

 

 だから…ケビン王もホイットニー妃も二人の姫ジャネット姫とナオミ姫も「雌雄モザイク」である。

 だが……末っこのお姫様スプリング姫だけは、雌雄異体の雌の妖精。


 その為、滅多と誕生しない雌雄異体の性別が雌だけの、このスプリング姫を大層を重用し、次期王様には絶対にスプリング姫しか考えられないとの声が、星中で巻き起こっている。


 それは……何故かと言うと、過去にも突然変異で、片方の性別しか持たずに生まれて来た妖精が存在したのだが、その妖精たちは、皆、偉大な発明や研究、文学に突起した天才ばかりだった。

 

 その為か、スプリング姫も幼い頃から非常に優秀で、尚且つ……バラの花のように美しいお姫様だったので尚更、次期王にとの声が沸き起こった。


 国民の人気を独り占めする、優秀で美しいスプリング姫が目障りで仕方ない継母と二人の姫は、妬みと嫉妬で王様が居ない時間を見計らって、散々虐めと暴力を繰り返していた。


 更には……美しいスプリング姫が妬ましいので、ワザとボロボロの服を着せて、髪の毛も勝手に見苦しくカットして、家の掃除や食事の準備等々をさせ、自分達は着飾りパ-ティ三昧。

 

【スプリング:日本語は春、泉】妖精が住むのは森や泉の近くなので、スプリング姫、日本名で泉姫。

 

 ◆▽◆

 フラワーフェアリー星は……実は…お妃様が若くしてお亡くなりになっていた。

 スプリング姫十三歳の時に天に召されて、王様も大層お力を落とされていたが、間もなく二人の姫「雌雄モザイク」と一緒に新しい妃がやって来た。


 美貌に絶大なる自信を持っていたお妃様は、毎日、毎日、泉に顔を映して問うている。

「泉よ泉よ泉さん、この世で一番美しいのはダ~レ?」

 あれ~?どこかで聞いた事のあるフレ-ズ……パクった?


「は~い当然スプリング姫でございます」


「何を————ッ!もう一度言うて見い!アアア嗚呼?あんな十五歳の小娘に、この私が負ける訳がない!えええい!もう一度、もう一度、言うて見い————ッ!許せぬ!許せぬ!許せぬ!」


「アアア?い いえこの世で一番美しいのは・・・お妃様です」


 お妃様は、スプリング姫が、憎くて憎くて仕方がない。

(ああああ、この世で一番美しい筈の私を脅かすあの小娘が憎い。生かしてはおけぬワ!)

 更には……スプリング姫と比べて、美貌も才能も到底敵わない姉二人も、スプリング姫が目障りで仕方ない。


 ある深夜の事だ。

 スプリングが眠っている寝室に忍び込み、お妃様と二人の姫は、何やら怪しい行動を取っている。

 どうも……食事のス-プに睡眠薬を混入させていたらしい。

 ぐっすり眠っているスプリング姫を、紐でぐるぐる巻きにして縛り付け車椅子に乗せて、こんな夜中にどこに行くのやら?

 

 屋敷の裏に有る泉にやって来た三人は、何と恐ろしい事を……スプリング姫を泉に幾つもの重い重しを付けて、勢い良く落とした。


 ”ザッブ~ン”これは大変な事。

 

 スプリング姫の安否は?


 あれ~?それでも王様もいるのに、何と大胆な行為。

 ああ……実は…王様はこの星の会議で留守だった。

 そこはちゃんと心得ている。意地悪をしたり、虐めたりするのは、もっぱら王様が留守の時間帯。


 ◆▽◆

 実はこのお妃様、とんでもない目論みをお考えのようだ。

 お妃に甘んじているだけでは、気が済まないご様子。

 何とも意地汚い


(あんな高齢の王様なんかサッサとあの世送りにして……そして…私が王になり若い婿養子を向かい入れて権力をこの手に……そして…可愛い我が姫に次期王の座をゆずってウッシッシッシ~!)おばさんのクセして……どうも……若い男と再婚して、権力と若いイケメンをゲットしようと目論んでいるお妃。


 このお城では、他の星との親睦の為に、頻繫にパ-ティが盛大に開催されていた。

 そこには……あの流し目ロバ-トの姿も有った。


 どうも……スプリング姫を狙っている様子だが……?

 

 だが……年齢差が有り過ぎて……どうも……十歳差らしいのだが……実は…流し目ロバ-トの思惑とは異なり…あの妃が流し目ロバ-トに熱い視線を⁈


 いやいや~それでも…流し目ロバ-トと妃の年齢差は二十五歳差なのだが……。

 それでも…とんだ……星に降り立ったものだ

 

 な~んか~?シンデレラとも言えない、白雪姫とも言い難い……物語の設定。

 

 あれ~?もし妃に見初められでもしたら……そんな事になったらマリリンはどうなっちゃうの?
















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