第11話⁂マリリンと流し目ロバ-ト⁂


 あれだけ陽葵姫に、流し目ビームを送っていた…あの……流し目ロバ-トは、その後どうなったのか?

 

 イヤ~それが~?な~んか?最近にわかに胡散臭い行動を取っている様子⁈

 ヤヤヤ ヤヤヤこれは……これは大変!


 あれだけ陽葵姫に接近していたにも拘らず、陽葵姫があの宿敵山崎流星に寝返った事を知りプライドはガタガタ。


「この宇宙№1の呼び声高い俺様の流し目が、しょうもない食い気に劣ったとは到底許されぬ事。アアア嗚呼!許せぬ!許せぬ!許せぬ!こうなれば……この行き場のない怒りを沈める為にも……フッフッフウ~……話を捏造して……あの憎き宿敵山崎流星をこの「セルフィッシュ星」から叩き出してクレルワ————ッ!」


 悪巧みをする流し目ロバ-トは、王様が会議で「エンペラーシティー」に現れた時には必ずと言って良いほど王様にすり寄って何やら……商談中。


 一体何の商談なのだろうか?大事な会議を差し置いてまで……まずはロバ-トとの商談に費やする王様・・・その目的とは?

 

 それは……一にも二にも王様が最も大切で、命よりも大切なマリリンの要望を応える為に、まずはロバ-トを最優先していた。


 それって一体どういう事?


 ◆▽◆

 それでは王様が会議を差し置いてでも、ロバ-トと会わなければならない理由を説明しておかなければいけない。

 その為には、まずマリリンの生活をのぞき見する必要がある。


 それでは、いとしのマリリンの一日を紹介しよう。


 まずは朝起きて朝食を摂るが、美肌作りに効果のある野菜や果物、更には魚、肉、卵などの動物性たんぱく質をバランスよく摂る。

 ↓

 専属のジムトレーナーに手ほどきをして貰い、体系維持に余念がない。

 ↓

 シャワーを浴びる。

 ↓

 専属のエステティシャンに、顔や身体の手入れである「全身美容」フェイシャルトリートメント、ボディケア、美容脱毛のほか、ネイルケア、フットケア等をやってもらう。

 ↓

 シャワーを浴びる。

 ↓

 専属のファッションコーディネ-タ-にコーデネ-トして貰い、化粧もして貰う。

 ↓

 王様と「ハイソサエティ-エリア」高級レストランに食事に出掛ける。

 ↓

 午後からは顔のメンテナンス「要は整形」更にはヒアルロン酸注入。

 

「先生うっふ~ん💞。.:*💛💛💛あの~💋もうこの~マリリン・モンロ—顔はうっふ~ん💞あきましたの……それでねぇ~うっふ~ん💞今度は、エリザベス・テ-ラ-のような顔に生まれ変わりたいの。……だってぇ……モンローだと危険極まりないっていうか?大変なんですのよ~……もう、レストランに入っても、演劇を見に行っても、ショッピングに出掛けても……何か……?私のこのグラマラスボディに一斉に釘付けになり……それも……何か……私がしゃがんだ拍子に……胸の谷間に一斉に目が……ギラギラしたいやらしい目付きで……もう……油断ならないっていうか~?……更には街なかを歩いていると、外の排水口やマンホ-ルの蓋が開いて……何か……急に風が”ぴゅうぴゅう”巻き起こって……そして…スカ-トがめくれ上がるんですのよ~……不思議に思いマンホ-ルに近付いたら……何か?……暗い穴の中に……目がギラギラ動いていましたのよ~……んもう……何か?…風を送る……小さい…コンパクトファンの様なものを…回して…だから、モンローだけはコリゴリ。いつ?狂った殿方に襲われ、最悪命の保証だって出来ない有様。今度はもう少し知的で……ある一定層の殿方だけが寄り付く……高嶺の花?普通の……普通以下の、下々の者が寄り付けない……高貴なエリザベス・テ-ラ-のような女性に変貌したいの……先生お願いねぇ💋ブチュ」っと先生のほっぺににキスをした。


 先生も余りの香しい香りと魅力にふらふら~。

 こうして今度はエリザベス・テ-ラ-に変貌を遂げ益々魅力を増したマリリン。


 


 ◆▽◆

 それでは王様が重要な会議を差し置いてでも流し目ロバ-トに費やする目的。


 それは……一体何の商談なのだろうか?


 実は…他の星からやって来た流し目ロバ-トの星は、ヒアルロン酸生産大国。


 どうも…ヒアルロン酸は、ニワトリのとさかから作られるらしいのだが、その為ニワトリが多量に飼育されている。


 マリリンの美貌を保つためのヒアルロン酸輸入と、それと何より我が星の、ピストルとライフルを大量に購入して貰っている。この星のためには、流し目ロバ-トの存在は重要。

 

 すっかり王様のお気に入りとなったロバ-トの狙い。


 最初は陽葵姫を誘惑してこの星の次期王になる狙いだったが、どうもあの宿敵山崎流星に寝返った事で、完全に計画が狂った。その為プライドはガタガタ、プライドの高い流し目ロバ-トは、話を捏造して山崎流星を陥れてやろうと企んでいたが、そんなある日、妖艶で美しいマリリンと、とんでもない出会いをする事となる。

 

 王様もこの男流し目ロバ-トには細心に注意を払っていた。

 だが……


 王様は、この美しく魅力的な流し目ロバ-トが最も重要な存在ではあるが、その反面最も危険な人物なのだ。

 

(この男の魅力は「セルフィッシュ星」きってのイケメン山崎流星や、エドワ-ド公の比では無いイケメンぶりだ。こんな男がマリリンの前をうろつかれたら、それこそ命取り。マリリンが、この男の魅力に取り憑かれて、相思相愛にでもなったら大変な事。こんなわしのようなブ男、いつマリリンから捨てられるか分かったものじゃない)


 あれだけ「ハイソサエティ-エリア」に入り浸りな王様だが、危機感を募らせ流し目ロバ-トと会う時だけは、あのズボラな王様がワザワザ「エンペラーシティー」に足を運んでいる。その理由は「ハイソサエティ-エリア」に足を運ばせて、運悪く邸宅でマリリンと遭遇でもしたら危険だからだ。


 そんな危機感を募らせている王様ではあるが、何と運の悪い事にマリリンと流し目ロバ-トは、とっくに顔を合わせていた。


 それも衝撃的な出会いをして、ビビビビビビ⚡ ビビビビビ⚡⚡ ビビビビビビ⚡⚡⚡ ビビビビビビ⚡⚡⚡⚡手の施しようも無いほどの稲妻に襲われ、二進も三進もいかない状態に追いやられていた。


 危険な恋の始まり。

 更には陽葵姫の結婚問題と王様継承問題には、想像も付かない暗雲が立ち込めていた。










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