第9話⁂マリリン誕生秘話⁂


 いよいよ、陽葵姫と山崎流星の婚礼の日が近づいている。 


「セルフィッシュ星」内外のお客様を招待して「セルフィッシュ星」の偉大さを示すそれこそ最も大事な行事。その為お金に糸目を付けず盛大な結婚式が、執り行われようとしている。


 だが……どこで王様が、お妃様と離婚した事を嗅ぎつけたのか、あの愛人マリリンが、ここぞとばかりに「エンペラーシティー」に乗り込んで来た。


 ◆▽◆

 視察で出掛けた王様が、何とも面目ない醜態を晒した、あのノラ猫交尾事件。


 あの事件以来すっかり女性にハマり、無類の女好きに変貌を遂げた王様だったが、完璧な尻拭いが出来ていなかったらしく、あちこちでボロが出始めている。


 真っ先に女狂いに反応したのが誰有ろうお妃様。そしてとんでもないカーストを発令された。※カースト:ヒンドゥー教における身分制度


 「王様があちこちで女性狂いに、おなりあそばして法外な金品を散財しておられますぞ~!」と、あの腹黒い侍従から聞いたお妃様は、何やら思案中。こうしてとんでもないカースト制を発令された。

 この国の身分制度〈カースト〉

 神様

 王族

 市民

 奴隷

 最も差別される奴隷

 お妃様は何と、とんでもないカースト制を発令された。若くて美しい女性を最下層の「最も差別される奴隷」階級とした。

 

 ★ここが重要ポイント:お妃様のお心の内:何もあんなブ男で無知な男に惚れている訳では決して無い。要は財産とお金に目が眩んで、この生活を手放したくない。万が一にも若い愛人に狂ってしまうという事も有るので、美人を徹底的に潰そうと企んでいる。


 そして…最近にわかに「シチズンシティー」で恐ろしい事件が多発している。


 それが……どうも……急に若い美人ばかりが「エンペラーシティー」の兵隊に捕らえられ、次々と島流しにあっている。そして…永遠に男たちの目に触れさせない様に、高い防波堤の様なもので目隠しされたエリアに、放り込まれている現状が、浮き彫りになって来た。


 また……何とも、あくどい捕らえ方をさせられている事実も判明した。


 どういう方法かと言うと、イケメンを何人か透明なオリに入れさせて、若い女の子に笑顔でオイデ、オイデをする。すると……若い娘さん達は、まるで……イケメンに吸い寄せられるように、こぞって……その透明のオリに吸い寄せられて行く。そして…地区の若い娘全員が入ったところで選別に入る。そして…ブスは放り出されている。


 こうして…オリを折り畳み、他のあちこちの地区でも同様な手法で選別して、ブスをオリから放り出している。要はネズミ捕り手法を取り入れているのだった。


 ◆▽◆

「お~い大変だ!妃が無断でとんでもない法律を制定した。このままだと『狂子』お前は島送りになる。何とかせねば?」

 

 こうして『狂子』は、島流しに有った事にして、王様の計らいで話をでっち上げられ、他の星からやって来たマリリンに生まれ変わった。また名前が不吉な名前『狂子』キョウコなのも有り、マリリンに改名した。


 だが……このマリリン実際は最下層の「最も差別される奴隷」階級のクセして、他の星からやって来たマリリンに生まれ変わった事によって、自分の立場、王様の世継ぎであるドラ息子「聖夜」を盾に、とんでもない企みを考えている。


「この星の次期王は唯一の血族者である「聖夜」を!」と声高らかに吠えている。

 このマリリン出現により、これから陽葵姫と聖夜の権力争いは益々熾烈を極める事になる。


 あの年増の整形改造女お妃様が去った事により、元々マリリンにゾッコンの王様がマリリンに従うのは至極当然のこと。


 だが……陽葵姫には、腹黒い侍従と山崎流星の他、あの流し目男ロバ-ト、更には首相の子息で、次期政財界期待の星エドワ-ド公等々が付いている。


 さぁ~!これは大変な事!陽葵姫最大のピンチ!


 陽葵姫に危機が迫って!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る