『シャイで素直で残酷で』 詩

 はじめましてのとき


 シャイなあなたは恥ずかしがって

 全然言葉をくれなかった


 お互いを知ったとき


 シャイなあなたは勇気を出して

 煌めきを宿す星をくれた


 仲良くなれたとき


 素直なあなたは微笑んで

 輝くような言葉を囁いた


 私が躓いたあのとき


 素直なあなたは立ち止まり

 そっと口を閉ざした


 あなたが歩き去るとき


 残酷なあなたは何も残さず

 私だけ独り残された


 さようならのとき


 残酷なあなたはもういない

 私だけ独りここにいる



 うつろな星とむなしい言葉

 そして寂しさだけが残る


 何を間違えたか分からない

 そして今日も間違える


 困惑と絶望に満たされ

 そしてぽっかりと穴があく



 誰も答えをくれないままに

 また新しいあなたがやって来る


 シャイで素直で残酷で

 途方もなく恋しいあなたがやって来る


 いずれまた去っていく

 そんなあなたがやって来る



 それでも作者わたし読者あなたを想い

 掻き乱されながら 独り筆を執る

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る