第一章 転生王女と王子たち

第3話 ついに王女に転生しました。



「んん……」


目が覚めると、天井からたくさんのレースがあたしが寝ているベットを覆うように垂れ下がっていた。


あたりをみわたすと今の時刻は夜なのか、カーテンが締め切っており、部屋の電気は枕元のオシャレなスタンドライトだけだった。


「あたし、本当に転生したのか……」


カサッ


「紙…?」


あたしは横にあった四つ折りの紙を開いてみた。


『如月霖猫さんへ

 言い忘れていたことがあったので手紙でお伝えします。

これらはいつかあなたが自然に気づくはずなのでお伝えするか迷ったんですが、伝えておこうと思う。

まず、王女は16歳です。そして、あなたが転生した王女はわがままで横暴なため、城中、いや国中から嫌われています。ですが、彼女にも味方はいます。双子の弟と弟の近衛護衛騎士、王妃たちです。王女の母親は6歳のときに病死しました。王女が遺した日記がベットの横の鍵のかかった引き出しに入っています。貴女の首に常にかかっている鍵で開けることができるわ。時間があるときに見ることをおすすめする。彼女は母親が死んだ日から毎日欠かさず書いているから。王女や周りの名前は自分で知ってください。ほら、知らないほうが「記憶喪失になりましたぁ〜☆」ってできるでしょ?素晴らしい作戦を思いついた私を褒めていいんだよ。最後に、王女の心を救う最短ルートはみんなから愛されることだということをお知らせしておきます。

P.S

貴女に彼女の記憶がなくったって何も知らなければ彼女と同じ道を通ってしまう気がしてこれらをお伝えしました。これは読み終わると焼き消えます。

また、なにかあったら「フィオナ」と呼んでください。力になる事を約束するわ。』


そう、可愛い丸い字で長々と書かれた女神からの手紙を読むと、書いてあった通り手紙は焼き消えた。


「なにが「記憶喪失になりましたぁ〜☆」だよ……王女の姿でできるわけないでしょうが」


それにしても、何も知らなければ王女と同じ道を通るって…?


どういう意味なんだろ……


「とりあえず日記を見てみたほうがいいよね」


あたしは首から鍵を外して鍵穴に指した。



「あれ?開かない?」


鍵が回らない。ガチャガチャとやってみるが鍵はびくともしなかった。


え、これどうやって開けるの?


……こういうときは、


「フィオナ!」


『はい、なんでしょう!』


そういってどこからかフィオナが出てきた。


「うわ、ほんとに来た」


フィオナはホログラムみたいになっていた。


『そっちに実体で出られるような準備をしているときに呼ばないでくださいぃ〜』


『おかげでホログラム行きですよ』


そういってほっぺを膨らます女神。


ほんと、女神っぽくない。


ていうかほんとにホログラムで草


……女神ってこんなんだっけ?


さっき見たときは光りまくってあんま見えなかったからなぁ……


スタンドライトに照らされたホログラム女神は、白銀の髪に黄色い瞳、白いドレスに絹っぽい薄いピンク色のストールをかけていた。


うっわぁ……美女だわぁ……


『で、なんの御用ですか?』


「あ、そうだった」


「この引き出し、どうやって開けるの?」


『……もう見るんですか?』


「うん。この子がどういう人生だったか知っておいたほうがいいかなって思って」


『そうですか…』


『………これは、ですね…』


『魔力を』



コンコン



『「!!」』


『わ、私は一回戻りますね!』


「う、うん」


……結局教えてくれなかった……


なにをそんなにためらっていたんだ?


見ないほうがいいものでもあるのだろうか……


って考えてる場合じゃなくて!!


早く寝なきゃっっ


ポスンッ


あたしはサッとベットに横になって目を閉じた


だんだんと眠気が襲ってくる。



ガチャ



「失礼するよ、クリスティーヌ」



そんな声を聞きながらあたしはまた眠りに落ちた。




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なんか霖猫ちゃん寝るの多い気が……



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