7.闇に染まる心

 今日もモニターに人が死んだとか殺されたとかいうニュースが流れてくる。巷では新型ウイルスのせいで面白いように人が死んでいく。


『今日は〇〇人の死亡が確認されました』

『〇〇容疑者が△△さんを殺害し遺棄しました』

『タレントの□□さんが新型ウイルスで亡くなりました』


 人が死ぬニュースは俺の心を高めてくれる。


 俺はエクスタシーの様な快感を覚える。


 いいぞ、もっと死ね。もっとれ。もっと殺し合え!


 世の中なんて、もっと混沌の中に沈めばいいんだ。


 秩序なんて無くなってしまえ。るかられるかの世界になってしまえ!


 新型ウイルスよ、もっと広がれ! もっと殺せ! 無能な年寄りや、この世は希望で溢れていると信じて疑わない子供をもっと殺せ!!


 この世に希望なんてあるわけないんだ。


 この世に生まれた事は絶望だよ。


 クソくだらない世の中には血をもって制裁を。こんな世の中にした政治家や哲学者も殺してしまえ。金に群がるくだらない人間も殺してしまえ!


 ────何なら俺が殺しに行くか?


 くっくっく。それも面白いな。


 息子が大量殺人鬼になったら、あいつらはどんな顔をするだろうか。その時の顔が見てみてぇ。


 三奈を凌辱した時に見たあいつの絶望した顔。あれは最高に俺を高めてくれたぜ。あの顔がまた見てぇ。世の中の女共が絶望する顔が見てぇ。


 そうだな、俺がヤッてやる。そして俺がる。


 この世の全ての人間に絶望を味わわせてやる!!


 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!!


 そうと決まったら今すぐ実行だ。今から俺は犯罪者として伝説を残す────!!


 ────ん? 部屋をノックする音が聞こえる。俺が一大決心をしたっていうこの時に誰だ?


「昌也、ちょっといい?」


 母親か。何の用だ。俺は忙しいんだ。


「何だ! くだらない用なら消えろ!」

「ちょっとでいいの。ドアを開けて……」


 仕方がねぇ。凶器ナイフを買う金も必要だしな。少しだけ扉を開けてやるか。


「何の用だ────っっっ!!??」


 瞬間、俺の視界が真っ暗になった。

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