ダンシング・ドール-武踏人形-

プレリュード-前奏曲-

 その乙女が剣を振る様はまるで舞を踊っているようだったと焦がれと恐怖を入り混じらせて誰もがこう語る。

 首の後ろで結わえられた髪は混じり気のない金糸で、その瞳は冷たい光を湛えた水晶、抜けるように白い肌は正しく陶磁器。

 とても細いその腕に握られるのは一振りの剣。

 女が持つには長過ぎるそれが赤き血を求めて振われぬ日はなく、その刀身は乙女が纏う純白のドレス同様に常に鮮血に濡れていた、と。

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