第25話 日常とイベント①

新作「超人気俳優が女子高校生を好きになるのはダメなことですか?」始めました!

よろしくお願いします。

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あっという間にゴールデンウィークが終わり、俺たちは再び、自宅と大学を往復する日々が始まった。



いつものように、授業が終わると……


「早くほかの3人探して、昼飯にしようぜ!」


と、すぐさま海周が俺のそばに来て言う。


「そうだな、俺もそろそろ腹がいい具合に減ったしな。」


と言って、俺と海周はほかの3人が授業を受けている講義室に向かう……。



「あっ、にぃにだ!わざわざ来てくれたの?」


そう言って嬉しそうな表情でこちらに駆け寄ってくる妹の紗理奈。


「……相変わらず俺は空気なのね…………」

後ろで車椅子を押してくれていた海周はややため息がちにそう言う。


「ふふっ、当たり前じゃない。

紗理奈ちゃんにとって、海周は龍星くんのおまけみたいなものだしね?」


紗理奈の後ろから先程の海周の一言にしっかり乗っかる星奈。


「星奈ちゃんもそう言ったら、2人とも可哀想じゃないですか。

ほら、2人の顔を見てくださいよ。」


と、呆れ顔のまま星奈の隣で軽く注意する水希。



水希が言った2人の顔を見ると…………

紗理奈の方は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら俯き、海周の方は冗談で言ったはずのことを星奈に抉られてトドメを刺されたような顔をしていた。


俺は、そんなふたりを見ながらも

「まあまあ、とりあえず昼飯に行って気分変えていこうか。」


と言うと、残りの4人も頷く。


星奈もなんだか申し訳なさそうに紗理奈と海周の間に立ちながら軽く謝罪をする。


そんな3人の後ろ姿を見ながら、水希に車椅子を押してもらいながら俺たちはあとを追いかけた。


ーーーーー


「あーあ、さっきは本当に傷ついたなあー」


「あーもう、学食奢ったんだからもうチャラでいいでしょ。本当に海周は子供なんだから。」


「なんだと!?」


「なによ!?」


学食に来て、席に着いたまでは良かったんだけど、海周と星奈の2人が学食を注文して、席に戻ってからというもの、ずっとこの言い合いをする始末である。


「まあまあ、2人ともせっかく暖かいご飯が冷めちゃうよ?」


と言って水希がどうにか、なだめようとする


「渡邉さんは黙ってて、今日という今日はこの女に今までの鬱憤をぶちまけないと気が済まないから。」


「水希ちゃんに酷いことを言うのは本当にイラッとするけど、そうね、海周の言う通り今日こそ、あなたに山ほど文句を言ってやるわ」


「望むところだ!」


と、2人の熱はどんどん上がっていくので、


「おいおい、2人とも痴話喧嘩は俺たちのいないところでやってくれ。」


「「そんなんじゃない(わよ)!」」


「息ぴったりじゃないか……。


それに、もうちょっと周りを見るようにな。」


と言って、俺は周りに視線をやる。

海周と星奈も俺につられて視線を向けると、周りに座っている人どころか、学食中のほとんど全員がこちらを見ていた。



2人ともそれに気づき、顔を真っ赤にしながらペコペコと頭を下げて大人しくなるのだった。




○○○



「やっと、収まったね……」


と、紗理奈が安堵のため息をする。

すると……紗理奈の向かいに座る2人が

「「すみませんでした……」」


と言って、先程までの熱が一気に冷めたのか、俺たちに頭を下げてくる。


「別に、気にしていないので……」

と、水希が言うと俺と紗理奈もそれに同意する。



すると、紗理奈がこの気まずい空気をどうにかするために話題を変える。


「そういえば……にぃにと海周くんはあれ決めた?」


「「…………あれって?」」

紗理奈の質問に俺と海周はお互いに首を傾げる。


すると、紗理奈が話を続ける。

「あれ、まだ知らなかった?

この大学伝統の課外活動のこと。」


「課外活動…………あのボランティアみたいなやつか?」


海周が思い出した、とばかりに言う。


「そんなのあったか……?」

俺は未だ分からずそう言うと、水希が説明してくれた。


「えーと、この大学の特に教育学部に入った学生の伝統的な活動で、この時期に大学近くの小学校などで開かれるバザーのお手伝いや商品の販売などをするものだった気がします。」


そこまで言われて、思い当たるところが見つかる。

「あー、あれね。この前の授業でそんな感じのこと言ってた気がするなあ。


それで、紗理奈が決まったのかって聞いてきたのか。」


「そうそう。あの活動は教育学部の学生は強制だから、にぃにたちもどこの小学校でなんの役割をするか決めないとダメでしょ?」


「確かに、そうだな。紗理奈達はもう決めたのか?」


と、俺が聞くと、紗理奈は首を縦に振り

「うん、今のところ私たち3人で自分たちの使わなくなったものとかを持ってきてお店で売ろうかなって。

その、出来ればでいいんだけど、にぃにと海周くんも一緒にしようよ!」


と、紗理奈が提案すると、水希と星奈も頷き賛同してくれる。




俺と海周は互いに顔を見合わせて、頷きあうと、



「そうだね、せっかくだしこの5人でやるか!」

「そうだな、俺ができる範囲で精一杯頑張るよ!」





というわけで、ボランティア活動の班がこうして決まったのである。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いかがでしたか?


ようやく、ゴールデンウィークシリーズが終わり、今回から新たなイベントスタートです!


累計で応援1000件いただくことが出来ました!

本当にありがとうございます!!


レビューなどもお時間がある時にぜひ書いてくださると、作者は執筆のモチベに繋がりま

す!


この作品を読んでくださった全ての皆様に感謝を送らせていただきます。



これからも応援の程よろしくお願いします!


では次回、お楽しみに!

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