なりすましの恋
神楽堂
第1話 携帯電話が落ちてきた
携帯電話が落ちてきた。
拾ってみると、傷はついているものの、ちゃんと動作しており、画面には「11」の文字が表示されている。
どこから落ちてきたんだろう?
見上げると、そこには木の枝がある。
携帯の成る木?
そんなはずはない。
きっと、もっと高いところから落ちてきて、一度枝にひっかかり、そして俺の前に落ちてきたのであろう。
二つ折り携帯であったため、折り曲げる部分で枝に引っ掛かり、落下の衝撃をいったんそこで受け止め、それから地面に落ちてきたのだと思われた。
開閉の動作は普通に行えた。
液晶も無事である。
いくつかのボタンを押してみたところ、問題なく動作していた。
どこから落ちてきたのか分からない携帯を拾った俺は、警察に届けよう、そう思った。
しかし、暇を持て余していた俺は、この携帯に保存されている中身を見てみよう、なんていたずら心が沸き上がってきた。
不用心なことに、この携帯にはロックがかけられていない。
俺は並木通の喫茶店に入り、警察に届ける前にこの携帯の中身を一通り見てみることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます