第3話 その後の生活……

俺は……ドクターからの宣告を受けてからは、

荒れた日々を送っていた……。


部屋でも。外でも。


浴びるように酒を飲み散らかした。




そう、まるで自分を痛めつける様に……そんな生活も、

長くは続かなかった。俺は……



ベッドからも、起きられなくなり



唯一、スマホだけで

交響楽団と連絡を取っていた。





季節は移り変わり、雪がちらつく季節へと変わっていた。




楽団員の唯一の親友、ノブに

初めて打ち明けた。



ノブは、最初は驚いていたが。

現実を受け止めてくれた。



ベッドから出られないならば……

せめて最後に一緒に演奏出来たらな?と……叶いもしない願いを



ノブは、俺を励ますように

伝えてきた。




俺が生活出来るように。


他の楽団員にも連絡してくれた。




分担して、家事をするモノ

掃除をするモノ




そして。ノブは……




俺に……部屋にあるピアノまで

連れて行き、




2人で演奏した。




ノブは……最後まで

お前を信じているぞ!と励ましてくれていた。




痛みに耐えながらも、

形になっていくピアノ協奏曲。




俺は……いつしか





異世界へと意識が誘われていた。

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