第2話 静かなる病魔

俺は……その場から消えたくなった。


ドクターの表情は曇ったままだ。




その後……ドクターからは、

『好きな様に、悔いの無い様に

生きてくれたまえ。』





診察結果は……ガンのステージ4

だった。




俺は……思った。




帰り道、タクシーを使うことにした。倒れては危ないからだ。




俺は……握りこぶしを知らないうちに、病院の壁に打ち付けていた。




俺は……まだ混乱していた。



『ハハ?俺がステージ4?嘘だろ!?』




手の施し様が無いと、判断され

入院を勧められたが。




俺は……最後まで交響楽団員で

有りたい!と切に願うしか道が


無かった。






長い年月、長い歳月、俺は……





幸せいっぱいだった。


最後に、こんなが来るなんて!?





神よ!!俺は……俺は……

何がいけなかったんだ!教えてくれ!!





殴った握りこぶしからは

血がにじんでいた。

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