遠足当日(孝憲視点)

待ちに待った遠足当日……


僕は自室のベットの上で寝込んでいた。


「ゴホッ、ゴホッ」


「大丈夫、孝憲たかのり?」


食べるものを持って来てくれた母さんが心配そうに問いかけてきた。


「うん。大丈夫だよ。だからさ、遠足行っても……」


「ダメに決まってるでしょ‼︎もう、人様にうつしたらどうするつもりなのよ!!」


「……分かった」



なんとなく気づいてはいたのだが、僕は水曜日から体調が悪く、風邪でもひいたかなと思っていたけれど、遠足が近いので母さんにはこのことを隠していた。



しかし、遠足当日の朝になり、突然母さんに


「あんた、何か私に隠してることない?」


と聞かれ、僕は咄嗟とっさ


「そ、そんなわけないじゃないか……」


と答えたものの、そのまま問い詰められ、ついには白状してしまった。


「なんで俺が隠し事をしてるのが分かったの?」


「あんたが隠し事をしてる時は大体私と目を合わそうとしないのよ」


確かにここ最近は母さんに熱があることがバレないように、母さんと目を合わせるのを避けてた気がする。


「なんでそんなこと知ってんだよ……」


「母は息子のことに関しては基本何でもわかるのよ」


母に逆らうのはやめよう。

昔もそう誓った気がするが、改めてそのことを再認識した。



「篠原さん、大丈夫かな……」


僕は自分1人しかいない部屋の中で篠原さんのことについて考えていた。

篠原さんだけでもみんなと話せるとは言ったものの、まさかぶっつけ本番になるとは思っていなかった。


大丈夫だとは思ってはいても、どうしても心配になってしまう。


僕はスマホを立ち上げて、優里にメッセージを送った。


『今日は篠原さんのことを頼む』


しばらくしてから返信が返ってきた。


『今日の遠足来れないんですか?』


『ごめん。風邪ひいてるのが母さんにバレて遠足に行けなくなった』


『わかりました。お大事にしてください』


メッセージを送り終わると薬の効果が効き始めたのか、だんだん眠たくなってきた。


(うまくいってくれよ)


そんなことを考えながら、僕は深い眠りに落ちた。


——————————————————

(作者)「遠足が始まるとは言ったが、誰が主人公が参加すると言った⁉︎」


追伸.

最近は新作小説である「『ざまぁ』された元勇者、仲間の大切さを知る」の方も執筆しているため、2日に1回の投稿になってしまい申し訳ございません(>人<;)


↓リンクです

https://kakuyomu.jp/works/16818093076722318002


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失ったはずの恋が戻ってきているんだが⁉︎ くりから @nanzi_kenwosuteyo

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