放課後

「委員長、オッケーだって」


「分かりました。今行きます」


委員長は、今まで話していた数人の女子との会話を切り上げて、こちらにやってきた。


堀口秋江ほりぐちあきえです。私のことは委員長と呼んでください。これから1年間よろしくお願いします」


「よ、よろしく」


(めっちゃ見られてる気がする……)


「よろしくお願いします。ところで、なんで、委員長さんは委員長って呼んで欲しいんですか?」


「それは私が説明しよう。委員長って見た目から委員長っぽいじゃん?ほら、スタイルいいし、髪の毛ロングだし、胸無いし。だから、中学生の頃から委員長って呼ばれ続けて慣れてるからだよ」


「中学生の頃から呼ばれてたのは、本当に委員長をやってたからで、胸が慎ましいからではありません!」


(中学生の頃から、そう呼ばれてたのか……呼びたくなる人の気持ちもわかる気がする。だって、スタイルいいし、髪の毛ロングだし、胸な……)


ギロッ


「よ、よし、みんな。こんなところで話してないで遊びにいごうぜ」


「そうですね(ニコッ)」


(死ぬかと思った)


−−−−−−−−−−−−


(優里くん視点)


今日は高校で新しくできた友達と、ゲームセンターに来ました。

友達とゲームセンターに行くなんて生まれて初めてです。


金木孝憲くん

これが高校で初めてできた友達の名前です。


彼には、僕が困っていたところを助けて……もらってませんね……


酷くないですか?


そのあと文句を言いに行ったら、至極真っ当な意見を言われて、言い返せなくなるし……

まあ、そんなこんなで彼と話しているうちに仲良くなりました。


その後は、橘夏樹さんもやって来て3人で登校しました。


ところで、金木くんと橘さんって恋人同士なんでしょうか?


橘さんはやって来ると同時に金木くんに抱きついてましたし、2人で話してる時はなんだか楽しそうですし。

でも、金木くんは橘さんに抱きつかれて、困ってそうでしたし……どうなんでしょうか?


そして学校も終わり、委員長さんも含めて4人でゲームセンターに来ました。


そういえば、委員長さんも不思議な人です。


金木くんは気づいてないみたいですけど、登校中からずっと金木くんのことを見てました。

そんなに金木くんとお友達になりたかったんでしょうか?


そんなことは置いといて……


「なんですかこのゲーム? 金木くん一緒にやってみましょうよ!」


「落ち着け、優里。今行くから」



委員長さんの提案で最後にぷ、ぷりくら? というゲームを皆んなですることになりました。


え、ゲームじゃない? 写真をとるだけ?


わからないので、とりあえずやってみましょう。


えーっと、カメラの方に向いてポーズを決める? 分かりました。 カシャ


そして……今度はその写真にお絵描きするんですか? かきかき


出来ました。

わー、ほんとに皆んなが映ってる……

え、えっと、どうしましょうこの写真?

みんなはどうするんでしょう?


「優里、それシールにもできるからスマホにでも貼ったら? 俺はスマホの裏に貼るよ」


と、金木くんに言われましたが勿体無いので写真のままでとっておくことにしましょう。


今日からこれは僕の宝物です。


−−−−−−−−−−−−

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