第2話 大阪

幸之助は先輩からもらった、200万円の封筒を持ち大阪のアイリー地区へ向かった。

アイリーン地区の宗方さんの所へ出向いた。宗方さんは公園でホームレスをやっていた、「修造から連絡もらってる、俺に着いてこい」と言って100万円を渡した、100万円で完全整形をしてくれると言う、麻酔をかけられて眠りについた眠りについているが幸之助はこのままじゃダメだ、この先どうするの?というのが回路していた。

整形は2時間程度で終わった、鏡で見るとこれは本当に俺なのかという顔になっていた。これだったらバレる心配はないと思った。先生からは「三日間安静にしといて」と言われ3日間入院をした、幸之助は坂上の所に行くことに決めた。

幸之助の中では【坂上を許さない】と思っている、自分だけ残る選択を選んだが

これでいいのか?って言う思いもあった。自分だけが生きて良いものなのかという疑問に陥った、坂上を殺して自分も死のうと東京へ戻った。

坂上はもともといたマンションから引っ越していた、坂上の行方を知っているものは誰もいないだろうと思いながら、管理人さんに「坂上先生の生徒だったんですが今どこにいるか知ってますかね?」と聞くと管理人さんは「ここに行くと言ってたよ、おそらく生徒が訪ねて来るだろうから生徒が訪ねてきたら教えてやってくれ」と言っていたらしい。坂上は広島の実家に戻っていた、あんな大量殺人を行った人間が実家でのうのうと暮らしているのは許せないと幸之助は思い実家の住所をメモらせてもらい

広島まで飛んだ。実家に向かうと老人が出てきて「息子ならあそこの河川敷にいるはずじゃと」教えてくれた。河川敷に行くと幸之助を待ってたの如く待ち構えていた。

「よく脱走できたな」


「僕はその辺は頭が良いんでね」


「何しにきた?」


「何しに来たはおかしくないですか?」

「あれだけの生徒を殺しておいて自分はお咎めなしですか?」


「なにを言ってる?殺したのはお前だ」


「僕はなにもやっていないです」


「お前が殺したんだ、お前が25人の生徒を縄にくくりつけ殺していった」

「その後自分からバトルロワイヤルを仕掛けてたんじゃないのか?」


「違う!!違う!!それをやったのはお前だ」

「お前だけは許さない」と言って歌舞伎町で10万で買った拳銃を坂上に向けた、この距離なら坂上も一瞬で殺せると思った。


「ほら、お前はそうやってすぐ感情的になって人に拳銃を向ける殺人鬼なんだよ、だまって牢屋に入ってれば良いものを抜け出すから死人も増える」


「うるさい、黙れ!黙れ!」


「お前はそうやって自分と向き合わないから私が殺したという錯覚しているんだよ」

「自分で一人ひとり縄にかけていったのが思い出せないのか?」


幸之助は坂上に洗脳されかけていた、坂上が言うことが本当のような気がしてきたが我をわすれないように拳銃を一発撃つと坂上の方に当たり坂上は後ずさりをした。


「ほらそうやって君はすぐ感情的になって人を殺そうとする」

「私は卒業式のときも辞めなさいと言ったはずだ、それなのに君は辞めなかった」


「違うって言ってるだろ!!」といって心臓を狙い一発撃つと坂上は倒れ込んで息をしなくなった。これでみんなの敵は取れた、自分も死のうかと思ったがみんなの分も生きなければという考えに至っていた。坂上の遺体はくさっぱらに隠した。

いずれ。犬や猫が見つけるだろうと思った、拳銃は坂上自信に持たした、幸之助は手袋をしたままでしか触ってないので、誰の指紋も着いてはいないので幸之助が殺したという証拠はどこにもないのだ、もし警察が老人に誰か訪ねて来ましたかって聞いて写真を見せても幸之助だとは気づかないだろうと思った。

この顔を手にいれたらなんでもできるのだ。新幹線で帰る時ウトウトしていると坂上の声で「お前が全員殺した」というのが耳元で囁いている。俺はなにもやってない、俺はなにもやってないんだと何回も繰り返す。死んでいったやつの顔も一人ずつ思い出し涙が出てきた。本当だったら春休み中何人かと旅行に行くはずだった。

ゆうこともデートの約束をしていたがそれも全部坂上のせいで無くなってしまった。

そこには悔しい思いしかなかった、自分の愛する者を自分で手にかけるなんて夢にも思っていなかった。新幹線は東京についていたが東京にいてもやることがないので僕は静岡に向かった。静岡の山の奥に行けば一生見つからないで暮らせるだろうと思った。山に入ると一軒の小屋を見つけた。山上りの休憩所みたいな所でおばあちゃんが一人で経営していた、僕にはあそこしかないと思い、おばあちゃんに「ここで働かせてください」と頼むと「良いわよ、なんか訳ありみたいだし」とすぐ快諾を得た。

おばあちゃんには子供も居なく一人で経営をやっているという、ちょうど店を閉めようと思った時に幸之助がやってきたという、我ながらナイスタイミングと思った。

こんな所に居たらお金を使うこともないので一日の売上の20%をもらうことになった、休憩時間は自由、休日も自由だった。

幸之助が店にたっていると10人位のスーツを来た大人たちがやってきた、この顔に見覚えないか?と写真を見せられた。この写真はここのおばあちゃんだった。

「し、知らないですね」と誤魔化すとおばあちゃんがタイミング悪く「休憩変わる」と言って店へ出てきた。「花村光子だな」「殺人容疑で逮捕する」といって目の前で手錠をかけられ連れて行かれた。

事件の内容はニュースでしたわからなかったが、三年前に旦那を殺し庭に埋めたというのが今回の容疑だった。幸之助も同じことしたなと思い気分が落ちた。

坂上が見つかったっていうニュースはまだやっていない、幸之助はおばあちゃんが居なくなったのを良いことに自分の山小屋に変えていくことにした。


僕の山小屋生活は一年で飽きてしまった、売上はぼちぼちあったし、辞めるのも違うと思い山小屋の経営を続けているが何か刺激がほしいと思った。警察署から脱獄しあの刺激がいまでも忘れられない、人を殺していとは思わなかったが毎日のように坂上が「お前は人殺しだ、お前のせいで全員死んだ」と囁いてくる。確かに自分は坂上を含めると五人の命をなくしたが後の25人は坂上のせだと思うようにしていた。

そうしないと夜も眠なかった、眠剤を大量に飲んでも寝れない日が続くときもあったがそれにはもう慣れてしまった、時々ゆうこがゆめに出てきて「こうちゃんは頑張って生きてね」と言ってくれる、それだけが幸之助の生きがいでもあった。


山小屋に住んで一年後坂上の遺体が発見され、ゆうこ一家殺害事件が起きた、誰ものかによってゆうこの家の全員が殺されたというニュースだった。僕は何が起きたか分からなかった、一瞬時が止まった。もしかしたら坂上がやったのかもしれないとふと思ったが坂上の死あはあの時確認しているはずだった。幸之助は2年ぶりに山から降りる決心をつけた。ゆうこ一家殺人事件の犯人が誰か気になったし許せないとも思った。 山小屋には一ヶ月休業しますという張り紙だけ貼って東京へ戻り、ゆうこの家にいってみると規制線が張られており中に入ることは出来なかった。

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三年目の告白 興梠司 @asahina0606

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