女性霊媒師

 モニターには先程の映像と同じハサミ状の手を持った生物UFO搭乗員が映し出されていた。その生物の動きと連動して、

「ファッファッファッファッファッ」

 と鳴き声の様な音声がスピーカーから出ていた。


 官房長官:

「オペレーター、まだ音声の解析は出来ないのか?」

 オペレーター:

「やはりサンプルが少なすぎて、解析不能です!」

 官房長官:

「何とかコミュニケーションを取りたいのだが・・・」


「私がやってみます。」

 円卓の奥に座っていた女性が手を上げた。


 官房長官:

「霊媒師のユタ花村女史、何か良い方法が有るのですか?」

 ユタ花村:

「相手が意識を持った生物なら、魂を持っているハズです。」

「私があの生物の魂とチャネリングをして、相手との意思の疎通を試みましょう。」

 官房長官:

「では花村女史、お願いします。」


 ユタ花村はメインモニターの前の席に座ると、顔の前に手を組んで何言かの呪文を唱え始めた。暫らく唸っていた花村は、突然昏倒して前のめりに倒れてしまった。

 周りの人達が心配そうに近づこうとした時、花村はムクリと起き上がった。起き上がった彼女の表情は何の感情を持たず、見開いた目は瞬きもせずに中空を見つめていた。

 周囲の人々は騒めき始めた。それは彼女の身振り手振りが、モニター上の生物の動きと全く同じだったのだ!


 ユタ花村は感情の無いトーンで話を始めた・・・


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