END3


一美「どーもこーもないでしょ。やめたやめた、十莉探して帰ろ」


百花「そう?まあいいけど」


千夏「とまりちゃ~ん!かえろ~!」


一美「近くに十莉いる?」


千夏「いな~い」


一美「ったく、どこまで行ったのよ。ビビりすぎでしょうが」



***



百花「……この階にも居ないわね」


千夏「一人でかえっちゃったのかな~」


一美「あのバカ!もう知らない!」


百花「ちょっと待って、……何か聞こえる。ガリガリって」


ガリッガリッガリッ!


一美「何?この音、何か砕いてるような……」


千夏「あ、とまりちゃんいた~」


百花「どこ?外?」


千夏「ほら、校庭の隅に背を向けてしゃがんでるよ~。あれとまりちゃんでしょ」


一美「ちょっと十莉!勝手に外出て何やってるのよ!?今そっち行くからそこに居なさい!」



***



百花「十莉、大丈夫?」


一美「ちょっと十莉!勝手にどっか行かないでよ!」


十莉「ん?……うん」


千夏「あれ~?とまりちゃん、泥とか鳥の羽とかついてるけど、転んじゃった?」


十莉「ああ、うん、ちょっと……」


百花「ほら、このハンカチで拭いて。何ともないの?」


十莉「うん、だいじょうぶ」


一美「そう、じゃあ帰りましょ」


千夏「こっくりさんに使うもの置いてきちゃったけど~」


一美「もうやらないからいい。ほっておけば?」


百花「またあそこに行くのもね……まあ廃校だしいいんじゃない?」



*** 後日 ***



千夏「まりりん、もも~、ずみちゃん、おはよ~」


一美「おそーい!急がないと学校遅れるよ!」


百花「そういうあなたも三分前に来たんだけどね」


十莉「……おはよう」


一美「はいはい。じゃあ行こうか。あれ?そういえば、ここの犬、今日は吠えないね。散歩中かな?」


百花「知らないの?昨日殺されたんだよ」


一美「マジ!?」


百花「全身ぐちゃぐちゃで、お腹なんて引き千切って内臓ほとんど無くなってたって」


千夏「ええ~!こわいよ~。なんでそんな事するの~?」


十莉「だって……お腹すいてたんだもん」


百花「え?十莉、今なんか言った?」


十莉「んーん、べつに……」


一美「あ、ほら、ここで喋ってたら遅刻しちゃうじゃない。みんな走れー」


千夏「ちょ、ちょっと、いきなり走らないでよ、ずみちゃ~ん!」


百花「あーあ、結局今日も変わらない日常が続くのか……」




END3 『変わらない日常』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

仲良しオカルト同好会四人組 レイノール斉藤 @raynord_saitou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ