第28話 もうすぐ創立祭!

「んんっ、えへへ、大好き、悠真君……あ、そうだ! 文化祭って、いつだっけ? 悠真君のとこの文化祭、いつやるんだっけ?」


「ふふっ、俺も大好きですよ、秋穂さん……創立祭の事ですか? それなら来週の土曜日ですけど」


「うん、それそれ! えへへ、来週の土曜日か……悠真君と歩美ちゃんのクラス、私絶対行くね! 絶対悠真君に会いに行くからね!」


「はい、もちろん来てください! 秋穂さんなら、いっぱいサービスしますよ! 大好きで、可愛い彼女なんで、いっぱいサービスしますよ!」


「えへへ、ありがと! 嬉しいな、大好きだよ悠真君……えへへ、悠真君のお仕事終わったら、でーともしようね! 創立祭でーとで、お化け屋敷行ったり、ご飯食べあるきしたり……えへへ、そう言う事も絶対しようね!」


「良いですね、それ!!! 絶対しましょう、絶対に……その前にみんなに俺の彼女、って紹介するのが先だけど」


「えへへ、絶対だよ、絶対デートしようね……ん? なんか言った?」


「いえ、何でもないです! 楽しみですね、創立祭!!!」




 ☆


「はーい、という事で今週の土曜日は創立祭です! クラスの出し物、成功させて、楽しい一日にしましょう!!!」


『はーい!!!』

 壇上の先生の言葉に、クラス全員から楽しそうな声が上がる。

 もうすぐ創立祭、この学校の1学期の一大イベントだ!


 創立祭―毎年6月に行われる、文化祭とは違うけど、文化祭くらい盛り上がるそんな行事。クラスごとに、屋台出したり、お化け屋敷やったり……そんなほぼ文化祭な楽しい行事。


 文化祭の時期は3年生の人が受験が近くてピリピリしてるけど、この時期ならそんなにピりつくこともなく、全校生徒が楽しめる行事……まあ、運動部の人は大会が近いからピりつくっちゃピりつく行事ではあるけども。


「なあ、悠真、創立祭楽しみだな! ウエイトレス姿の天ちゃんに藤井さん……くー、楽しみだぜ!!!」

 俺の前の席の太雅が、そう嬉しそうにテンションをぶち上げる。

 太雅の言葉通り……かはわかんないけど、俺たちのクラスがする屋台は喫茶店。

 選ばれし美男美女たちがウエイトレス姿で接客をする、そんな喫茶店……まあ当然、俺たちは裏方なわけですけど。働く姿、見れないんですけど。


「そうだけども、楽しみじゃん! お前だって楽しみだろ、藤井さんとか高田さんのウエイトレス姿気になるだろ? お前、最近藤井さんと仲良しだし! 高田さんは相変わらずぽわぽわ可愛いし……ま、おなじぽわぽわでも、俺は天ちゃん派だけどな!」


「……アハハ」

 ……ちょっと流石に苦笑いするしかないな、これは。

 その、楽しみじゃないって言えば嘘になるんだけど……まあ、最近色々ありすぎたし、風花ちゃんは……まあ、風花ちゃんの事は一応解決したって事でいいか。


 でも、歩美の方は相変わらずシスコンが過ぎるのか、俺が秋穂さんと一緒に居る時とかめちゃくちゃ話しかけてくるし、二人きりになろうと画策してくるし……まあ、あっちはまだちょっと問題ありって感じかな?

 その……色々問題あるね、色々……まだ勘違いしそうになること、あるし。歩美が俺の事、好きじゃないか、って勘違いすることあるし。


 まぁでも、俺は風花ちゃんのおかげもあって俺の大好きな人は秋穂さん、ってちゃんと自覚出来たし。

 この前の土曜日も、秋穂さんの作った生姜焼き食べて、その後はたくさんいちゃいちゃラブラブして……そんな楽しい休日、過ごすことが出来たし! 秋穂さんといっぱい、大好き大好きすることが出来たし!


 だから大丈夫、俺は何があっても大丈夫……なはず。

 どんなに誘惑されても、どんなに推しが強くても俺は秋穂さん一筋! 秋穂さんを、大好きに、幸せにするって決めたから!


 だから、その……

「悠真、悠真? おーい、悠真? 悠真さん、大丈夫? 大丈夫ですか?」


「……え、あ、ごめんごめん。楽しみだね、創立祭!」


「だな!」

 とにかく、俺はもうぶれない、絶対にぶれない! 

 秋穂さんと大好き同士、絶対に幸せになるんだ!!!


 まず手始めに、創立祭で秋穂さんとデートしよう! 

 秋穂さんと俺のシフトが終わった後に創立祭デートするんだ……あと、俺の彼女が秋穂さんだってこともみんなに言うんだ!

 秋穂さんがクラスのお店に来てくれた時に、みんなに紹介する、秋穂さんが彼女だって! 俺の彼女は、秋穂さんなんだって!




「ちなみにちなみに! 俺の文化祭の目標は天ちゃんとデートすることです! 天ちゃんを創立祭デートにお誘いすることです!」


「そっか。頑張れ、太雅!」


「うん、頑張るぜ! それまでに色々シミュレーションしとかないとな……うー、緊張してきた!!!」


「ふふっ、早すぎだよ、太雅」



 ~~~

「ふふふふふっ……悠真……ふふっ」

 ―今日も悠真、私の事見てたな。私の事、見てくれてたな。


 ―あ、今も私の事見てくれてる、また見てる……ふふふっ、もう大好きすぎでしょ、悠真、私の事! 悠真私の事好きすぎるでしょ、私への大好き止められてなさすぎでしょ! ホント大好きよね、悠真は私の事!


 ―そんな心配しないでも、私は悠真の事、ずっと大好きだよ? たとえお姉ちゃんとイチャイチャする時間が長くても、絶対に最後は私のところ来てくれるの知ってるから。私の事が一番好きなのは知ってるからね!


「ふふふっ、ふふっ……悠真好き、大好き……ふふふっ、ふふふふっ……悠真悠真悠真悠真悠真……ふふふっ」

 ―あ、そうだ。明日、悠真にお弁当でも作ってあげようかな? 悠真に私からの愛妻弁当、作ってあげようかな? そうだ、作ろう! 思い立ったが吉日、明日は愛妻弁当だ!!!


 ―絶対喜んでくれるよね、悠真! だって私の愛妻弁当だもん! この前お姉ちゃんのお料理食べたらしいけど、そんなのより比べ物にならないくらい美味しいから、絶対に私の愛妻弁当の方が美味しいから! だから楽しみにしててね、悠真……ついでに私も、美味しく食べて欲しいな♪



 ~~~


「風花、創立祭デートしようね! ね! 野中のとこ、絶対行ったらダメだからね! 二人になるのも禁止だから!!!」


「う、うん! わ、わかってるよ、翠ちゃん……わ、わかってるよぉ……」


「……全然消えない、なんで……ナンデナンデナンデ!!!」


「み、翠ちゃん……はぅぅ……」




「ほわ~、太雅さん……ほわ~」


「……天ちゃ~ん、私の友達が怖いよぉ! 歩美はのーま見ながらブツブツ言ってるし、風花ちゃん翠ちゃんカップルはアレだし……すっごく怖いよぉ、私彼氏欲しいよー! 恋人が欲しい!」


「はわわ~、青ちゃんは、そうなのですねぇ~。私は、太雅さん一筋ですわ。昨日、お部屋で何かを考えてらっしゃる姿もカッコよかったですわ! 願わくば、カメラ越しではなくて、現実にみたいですけど、今はしょうがありませんわ」


「……天ちゃんも怖いよぉ……あ~、彼氏欲しいなぁ、私も……」



 ★★★

 感想や☆やフォローなどしていただけると嬉しいです!!!


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る