第46話

そして時がすぎ、クリスマス当日

場所は冬風家のリビング。時刻は18時47分



「ということで、クリスマスプレゼント贈呈会の開催を宣言する!」


「「「「イエーイ!!」」」」」


「…このノリ毎年なのに慣れない…」


「まず最初は、チェストーナメントで全敗!さらに、将棋トーナメントで全敗を決めた霊斗へのプレゼントだ!!」


「「「「イエーイ!!」」」」


「い、いえーい…?」


「弥生さんが悪ノリし始めた!?」



霊斗に渡されたのは以下の通り

 雪菜→ペアネックレス

 弥生→スマホ(新品)

 煉河→スマホ(未開封中古)

 紗奈→フリル付きエプロン

 夜斗→黒いコート(7年連続)とPCパーツ(余り物)



「ユキ以外がネタに走った!?」


「流石にまともなもの買いますよ。他の方がネタ系いきますし」


「…スマホ、壊れたままだから…可哀相」


「僕も同じ理由だな。最高品質の中古だ」


「…コメントは特にありません」


「黒いコート見ると霊斗に買いたくなるよな。パーツは捨てるやつ」


「ちょっと紗奈さん!?あなたのコメントが一番ほしいんすけど!?」


「……料理好きだと聞いたので、エプロンがいいかなと思った結果、私の好みで買いました」


「好きだけど趣味は合わせてほしかったです!でもありがとう!」



思い思いのものを渡され、感動か呆れか涙を流す霊斗

夜斗が笑いを堪えているが、煉河は堪えきれなかった



「次!雪菜宛だ!ということで今度は俺から渡すかな」



雪菜が渡されたのは以下の通り

 夜斗→腕輪型GPSロガー

 弥生→監視端末(霊斗に渡したスマホ用)

 紗奈→フリル付きエプロン(霊斗と色違い)

 煉河→手錠(鋼鉄製)

 霊斗→乾燥機



「霊くん、あとでお話があります」


「俺より先にお話する人いるよね!?」


「俺は予告したしな。腕輪型だから邪魔にはならんだろ」


「…やっぱり、連携して監視できる端末がいいかなって」


「やはり夫婦でペアルックは憧れますよね」


「緋月はよく説教中に逃げると聞いたからな」


「どこがお話の対象なんですか?みなさん私たち夫婦を応援してくれてるじゃないですか」


「納得できない!!」



霊斗の悲痛な叫びも虚しく、雪菜はかなり喜んでいる

尚、霊斗は浮気などしたことは一度もないためネタ枠ではあるのだが、真面目に選んだ霊斗が1番怒られていた



「次は…紗奈だな」


「お願いします」



夜斗→寝袋(二人用)

弥生→テント(二人用)

雪菜→タープ(高級品)

煉河→スマホ(新品)

霊斗→マイクロPC(中華製)



「私たちがキャンプをやり始めたのを知ってたのですか?」


「無論だ。密着して入れる寝袋にしてみた」


「…テントは、愛の巣だから…?」


「テントは高くて買えなかったのでせめてタープを…と思いまして」


「そろそろガラケーから変えてほしい」


「あれ?なんで他の人ネタじゃないん?」



タープというのはテントの入り口につける屋根のようなものだ

あるとないとでは快適さが変わってくる

紗奈は未だにガラケー…というよりガラホを使っているため煉河の選択は良好と言えるだろう

前のビデオ通話は家電の機能で行っていたくらいだ



「霊斗、俺の妹に対してネタに走ろうとはいい度胸だな」


「なんで急に路線変えるんだよ!ネタでやろうねって話だったろ毎年!」


「じゃあ、次は弥生さんですね」



雪菜の音頭で、また全員がものを出した

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