「もっとたくさん読者に読んでほしい!」 → 受けやすいテーマを分析しよう(②テーマ分析)

 前回、終わりにこのようなことを記載しました。


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【②テーマ分析-受けやすいテーマを探す】

 今ランキングで高い評価を得ている作品を読んでみましょう。

 それが受けやすいテーマです。

 とはいえこの説明だけでは少々乱暴なので、次章でもう少し踏み込んで説明したいと思います。

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 さあ、ここからテーマの分析です。

 とはいえテーマという単語自体がふわっとしています。

 ここでは「受けているテーマ」→「受けている理由」ぐらいに解像度を低くして、ふわっと分析してみましょう。






【簡単なやり方】

 ランキング作品をぱっと見て、あなたの目に留まった「お、これは」と思った作品を選んでください。

 そして、なんで目に留まったのか仮説を立ててみてください。


 例えば私なら、

「転生したから○○を極める」

 という作品に目が留まりました。

 その時の気分がちょうど転生・無双系を読みたい気分だったというのと、○○の内容が応用性があってタイトルもそんなにくどくなかったので「おっ」と思いました。


 こんなのでOKです。

 読者は千差万別、読みたい作品もひとそれぞれ、さらにその日の気分があります。


 いくつか参考になるテーマ単語を載せましょう。

 ・追放ざまぁ

 ・転生

 ・貞操逆転世界

 ・勘違い無双

 ・Vtuber

 ・スローライフ

 ・ダンジョン経営

 ・内政

 

 この辺の単語は、皆さんも繰り返し何度も見たことと思います。受けがいいテーマ(俗にいうテンプレ展開)です。

 好きなテーマもあれば嫌いなテーマもあると思います。皆さんがそうであるように読者も好き嫌いを持っています。読者のみなさまも一つだけずっと好きというわけではなく、その日の気分であれこれ違う作品を読んでいるんじゃないかなと思います。


 これらのテーマ、「あれが抜けてるよ」「これも追加しておいて!」という指摘があったら大変助かります。






【もっと踏み込んだテーマ分析】

 物語の○○個の類例! みたいな研究はここではやりません。

 参考までに、wikiから下記の文章を引用いたします。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E8%AA%9E%E3%81%AE%E9%A1%9E%E5%9E%8B


 1960年代にクロード・レヴィ=ストロースによる神話の分析(構造解析)が注目を集め、それと共に再発見されたのがウラジーミル・プロップによる『昔話の形態学』(1928)である。プロップはこの中で、ロシアの魔法昔話に現れる「物語機能」(今でいうところのモチーフに相当するもの)は31個であり、物語の中でほぼ一定の順番で現れることを示した。つまり、バリエーションによる差異はあるものの、ロシアで伝えられていた魔法昔話はすべて同一構造(同一プロット)を有するとプロップは唱えたのである[1]。

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 また、テーマについて「実は親子愛」とか「実はどんでん返し」とかそういうやつは分析しません。

 親子愛が書きたかったら、親子愛を書く。

 どんでん返しが書きたかったら、どんでん返しを書く。

 この辺は作者の趣味だと思います。


 この作品のテーマは親子愛なんですよ! ――と、作品にテーマを持たせている作者はいっぱいいると思います。

 それはそれでOKです。でもそれは分析対象ではありません。

 





 踏み込んだテーマ分析で分析したいのは、ずばり「何が面白そうだと思ってその作品を読もうとしたんだ?」という自分の感想です。

 そう、あくまで自問自答です。

 

「え、なんでこのタイトル/キャッチコピーの作品、おもしろそうだと思ったんだろう?」

「センスあるなあと思ったけどなんでだろう?」


 と一旦かみ砕いてみてください。


「主人公がバンバンレベルアップして成長していくのが楽しめる作品だと思った」

 というあなたは、「主人公がバンバンレベルアップして成長していくのが楽しめる作品」を書く才能があります。何故ならその楽しさを知っているから。


「ちょっとタイトルがエロそうで、あとイチャイチャ感と修羅場感を同時に楽しめそうで、ヤンデレが大好物だからつい開いちゃった」

 というあなたは、「ちょっとタイトルがエロそうで、あとイチャイチャ感と修羅場感を同時に楽しめそうで、ヤンデレが大好物な人がつい開いちゃう作品」を書く才能があります。何故ならその楽しさを知っているから。






 難しいことは考えなくてOKです。

 このテンプレの良さは、○○が××するからだと思っていて……

 みたいな言説をよく見かけますが、あれも真剣にのめり込まなくてもOKです。


「何がおもしろそうだと思ったんだ?」

 を自分で言語化する能力。

 これを大事にしてください。


 これこそが、短いタイトルで他人に面白そうという期待感を伝えるためのキャッチコピー能力ですし、読者が作品を読むときに期待している点、そして、作品のテーマです。






 次からは読者をどのように引っ張ってくるか、PVと★を稼ぐ導線について説明したいと思います。


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