きみの「ついで」が多すぎる

隣の家に住んでるノンちゃんは図々しい。

子供の頃から私の家に遊びに来てはあれもこれも「ついで」に頼む。


「ユキちゃん、そのえほん、ぼくも見ていい?」

「いいよ」

「ついでになかよくしてね」


小学生の時も。


「ユキちゃん、学校一緒に行こ」

「いいよ」

「ついでに手つなご」


中学生の時も。


「ユキちゃん、コンビニ行くの?僕もついてく」

「いいよ」

「ついでに彼女になって」


高校生の時も。


「ユキちゃん、辞書貸して」

「いいよ」

「ついでにちゅーしよ」


大学生の時も。


「ユキ、買い物行こ」

「いいよ」

「ついでに一緒に住も」


大人になってからも。


「ユキ、食器は僕が洗うからシャツにアイロンかけといて」

「いいよ」

「ついでに結婚して」


「ついででいいの?」

「だめ。お願いだから一生そばにいて」


ノンちゃんの「ついで」は本当に言いたいことの前につく言葉なの。

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