第2話 道中
盗賊たちの死体から逃げるように私たちは森を歩いていました。すっかり、妻は落ち込んでいます。自我を失い、盗賊たちとの戦いで傍若無人に暴れていたことについてでした。
妻は夕食を食べることができませんでした。自分の感情を抑えることができなかったことに対して
そんな日は不安になります。
彼女は気持ちが落ち込むと、「亜人の影」という闇の住人を呼び寄せてしまうのです。
特異体質のせいです。
「亜人の影」は眠ってる人に苦しみを引き起こしていきます。ナイトメアのように人々の心に悪夢を浸透させていくのです。
夜になると「亜人の影」が現れてきました。ゆっくりと暗闇の中から現れると、すべての光を
闇に落ちると、夢を見ることになりました。
それは幼い頃の記憶です。
私は村の祭壇にいました。
いつもであれば祭壇の入口には村の人がいるのでした。
しかし、その日は祭りの日でした。
祭壇には誰もいません。
私は祭壇に忍び込んでいたのでした。
誰かに誘われるように祭壇に入ると、突然、ドアが閉じられていました。
とっさに、私はドアを叩きました。
誰かに助けを求めます。
しかし、村人は誰もいないのです。
ずっと、ずっと、その祭壇の中で私は叫んでいました。
その時、女性の声がしたのです。
そこで夢が終わりました。
目を覚ますと、記憶が欠如しているように感じました。
きっと、勇者としての旅をしていれば真実を知ることができるかもしれないと思うことがあります。
朝日がテントを照らしていました。
もぞもぞと寝袋から
あと数日が経つと、南の城に到着する予定でした。
私たちは南の国に向かっていきます。
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