3.人生の正しさと楽しさ

 志望校に受かってから少しずつ独学で薬学について学んでいる。


 きっと周りのやつも同じように目指しているやつらばかり。

 目的があるやつは強いと思う。


 出来れば主席を狙っていきたいところだが、

 どうなるかわからない。


 勉強の時間も大切。インプットもアウトプットも。


 しかしそれよりも大切なのは食事の管理と運動だ。

「仕事しながらできることってなんだ?」


 精神の安定のために、ダンスを覚えた。

 体は柔らかい方だ。


 隆々とした筋力はつきはしないが、しなやかな筋力ならば維持が可能だ。

 ランニング、ウォーキングもしてみたが。

 ダンスが楽しい。

 

 ダンス仲間はタバコもしているし、お酒もギャンブルの誘惑もある。

 その誘惑に乗る気はない。

  1人でダンスというのもむなしいものだ。

 

 1か月ほど続けてはみたものの、

 結局は合わせることにメリットがあまり感じられなかった。

 タバコは生きているうえでデメリットが大きい。


 タバコ仲間ということでコミュニケーションには必要かもしれないが、

 薬剤師を目指いて、吸う人とはそんなにいないだろう。


「なに、おまえ。つまんね」

 言われることもあるけど、

 何かを得るには何かを失わないと往々にしてうまくはいかない。

 また仲間を探すことにして。


 それはそれとして実験のレポートもあるらしい。

 楽しみだ。

 

 ☆☆

 入学すると驚いた。

 さすが、医療系を志すだけあって実家が太い。


 これは俺が言えたことではないが、

 いくつもの単位をサボってもかまわないらしい。


 そんなことあるわけないのだが、

 留年も視野に入っているというから驚きだ。


(俺、入る大学間違えたかな)

 薬学系については上から数えた方が早い大学なのだが。


 落ちてもいいと言い切った男の友人はいう。

「びっくりしたろ。こいつ親に甘やかされまくっているから。

 そんなに気にするなよ」


 確かに気にしていたら自分の目標がずれる。


 そして、薬学系なはずなのに選民思想が強い。


 親が務めの医者、開業医であるかによって偉いとか、

 素晴らしいとかあるらしい。


 子供のころにかかった医者を思い出す。

(自分のいうことにある程度責任持たないといけないんだもんな)


 小学生のころ、風邪で受診したら、椅子にふんぞり返った爺さんだったっけ。

「あんな感じの親に育てられたら、そうなるか」


 まだ正確な知識のない医療従事者候補は誇らしげにしてはダメだろう。

 もちろん数々の努力もしている。


 だから患者を見下す要因になりえる。

(きっと病院の中ってこういうやつらが多いんだろうな)

 もちろん態度には出さないだろうけれども。

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