楓の選ぶ職業
『《
・近距離戦闘型中級職業。
・体力、威力、防御力に補助。
・使用武器:レイピア、サーベル、及び細剣。』
「これは………」
「《
自信満々、鼻高々。
そんな表情でメアリさんが言う。
「わー、メアリさんも頑張りましたねぇ。あたしだって始めは《
「ふふふ、ギルド長も最初は渋っていたんですが、私が懇切丁寧に三時間ほどお話させていただいたら快く許可してくださいましたよ!」
「あぁ………ギルド長、心労お察しします……」
「? ローザさん、何かおっしゃいましたか?」
「いいえ何も?」
二人の気兼ねないやり取りに、親密さを感じるけど………
なんかローザさん、笑顔が怖いような………………
「それでですね、カエデさん」
「あっ、はい」
「今ご紹介した三つの
優しい笑顔を向けられて、私は逆に戸惑ってしまった。
えぇ………どうしよ、ここは基本の《
でも突然出てきた小娘がいきなり中級職なんて、他の人から睨まれない?やだ、悪意こわい。あーでもご厚意が………
『あーるじー!』
「わっ!?」
なに!?RG!?RGってな……あ、『
びっくりしたぁ…………クレアちゃんの声だ…………
「カエデ?どうかしたかい?」
「大丈夫ですか?何かありましたか?」
「あッ、いえ………ま、窓の外に虫がいた気がして、びっくりしちゃって。あはは………」
「………………そう?」
わ、我ながら苦しい言い訳………っ!
でも、なんとか追求は免れたかな。よかった………
『もー、クレアちゃん急に話しかけてこないでよ!びっくりした!』
『す、すみません
『あ、そうだったの?』
『はいー。いま主は、何の
『うん。初級職でもいいんだけど、せっかくのメアリさんの………その、努力?を無駄にするのも気が引けて………』
脳内ではクレアちゃんと話しながら、見た目では腕を組んで目を閉じる。いかにも『考え中でーす!』といった感じだ。
………………どうか話しかけられませんように。
『わたしから言わせていただきますとー、おすすめは《
『っ………それは、なんで?』
『まず、中級職という点ですー。通常、初心者………というか初級職の冒険者が受けられる仕事は、団体のものが多くー、必然的に一人で行動する時間が少なくなりますー』
『一人で行動できないと、【創造主】としての仕事に支障が?』
『そこまでは言いませんが………まぁ、金銭的な余裕もなくなりますし、不便なのは事実ですねー。それから、中級職って街の移動の時便利なんですよー。初級職の状態で街を移動するとなると、変な疑いをかけられることも少なくないんですがー、中級職はそこそこの実力がある証ですしー?割とすんなり門を通してくれるんですよねー』
『そっか、これから街を移動することにもなるんだね』
『そーですねー、まぁ先々のことも考えて、ここはメアリさんのご厚意に甘えるのがいいんじゃないでしょーか!』
ふぅ〜ん…………………
………………よし、決めたっ!
「メアリさん、ローザさん」
決意を込めた瞳で二人を見る。
二人は何も言わず、続く言葉を促すように微笑んだ。
「私の職業は―――――――――――」
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