かえで は じゅもん・おぼえてません を となえた!
『話を聞く』と言われて、私が思い浮かべたのは、白い壁、
まぁ、よくある取り調べ室である。
そんなものをイメージしていたので、実際に『第3応接室』に案内された時にはびっくりした。
――――ひっっっっっっっろい!
ついでに言えばソファもふかふかだった。
えーなにこの
と、自分の想像とのギャップに
ガチャリ、と音がして扉が開き、さっきの受付嬢さんが出てきた。
「お待たせいたしました。………
ニコリと笑顔で言われたが、私はあることに気がついて
部屋が何だ、紅茶が何だ、ソファ(ふっかふか)が何だ!
そう、このお姉さんこそ尋問のプロフェッショナルであり、今から身の毛もよだつ恐ろしい尋問を―――――――――
「ではまず、お名前を教えていただけますか?」
――――――なーんてことは全然なかった。
いや分かってたよ?というかさっき『応接室』って言ってたし。今のはヲタクと厨二病の
そうだよっ、私がヲタクなのが悪いんだよっ、と内心の
「はい、
「カエデ……さん。少し変わったお名前ですが、出身はどちらですか?」
「え?えーっと……」
日本です。
とはさすがに言えない。言ったところで通じるかも分かんない。いや多分通じない。
「カエデ、思い出せなかったらいいんだよ」
あーっとローザさん、ナイスアシスト!
というわけで、ローザさんが出してくれた助け舟にありがたく乗ることにした。どんぶらこ。
「あ……えと、ち、ちょっと分からない、です…………」
「そうでしたか………では、年齢は……?」
「16歳です」
「16歳……はい、ありがとうございます。では―――――」
それからいくつかの質問をされ、答えられるところは答え、答えられないところは『覚えてません!』を
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