純白の血(漫画)
こちらも前々回からの流れで篠原烏童作品です。
ジャンルはホラーかオカルトか、そういう感じかな。
私が持っているのは全4巻のコミックスですが、もしかしたら違う形で再販とかされているかも知れません。
現代のイギリス、ある雪山で吹雪のための洞穴に避難した旅人が、カチカチに凍った2体の「凍死体」を発見します。
その服装から判断すると、数十年は前の遭難者のようだ。
気味が悪いが吹雪の中、出ても同じことになるしかない。我慢して洞窟にいる間に良からぬ気持ちが湧き上がります。
身なりもいいし、持っているカバンも立派。何が入っているのだろうか?
どうせもう使うこともないだろうし、そう思って欲を出し、カチカチのカバンを開けようとしたら、凍っているはずの死体が手を伸ばし、男の足を掴みます。
みるみる力を失って倒れる男。
男が倒れたところで凍死体は起き上がり、もう一人を起こし、
「やあ、ヒース」
そう声をかけると、ヒースと呼ばれた男が、
「ウォーレン、おはよう」
と答えます。
凍死していたと思われた男たちは「ヴァンパイア」でした。
数十年、この地で眠っていたのをさっきの男が起こしてしまったのです。
二人が吸うのは血ではなく「
そして二人には決定的な違いがありました。
ウォーレンは生きている人間や動物からしか
二人はもういつから生きているのかも分からない、大昔から生き続けている存在でした。
そして半世紀ほど前、ロンドンで愛する人を得て、一時期幸せな生活をしていました。
ですが、ある事件から二人で山に逃げ、眠っていたというわけです。
半世紀ぶりに戻ったロンドン、ふと知り合ったカップルと部屋をシェアすることになったウォーレンとヒースですが、まるで予言されていたように、半世紀前の事件の続きに巻き込まれていきます。
二人は半世紀前に愛した人のその後を知り、そして自分たちの役目を知ることになっていきます。
とてもきれいでとても恐ろしいお話です。
このお話の関係者、と一応言ってもいいと思うのですが、その人が、前々回の「沈黙は星々の乾き」にも登場し、そして「ファサード」で大きな役割を果たします。
全部を読んで下さいねと言うのもあれなんですが、もしも興味を持っていただいたら、そして読んでくださったら、
「ああ、あれがそうつながるのか」
と、納得していただけるかと思います。
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