8. 主人公と対比されるのは、均一化された存在

 例えば君が何かを提案したとして、「今までのままでよい」として却下されたり、「そういうものだから」として否定されることは世の中にありふれている。


 しかしこれはただの「反対」であり、「反論」ではない。

 

 主人公が何かアクションを起こして世界に何らかの変化を与えようとする時に、それに反論するキャラクターが、こういった安っぽい「反対」しかできないのでは説得力が無くなってしまう。それは対立する主張を述べているだけで、水掛け論にしかすぎないからだ。(とはいえ、そっちの方が展開としては都合がいいことが多い)


 ではどうしたらいいのか?どう議論を競わせたらいいのだろう?


 例を出そう。


 君以外の全員がINM語録で会話している。その時、誰かが「みんなが語録を使っているから、君も語録を使って会話しよう」などと言い出した。

 しかし、皆に当てはまる理由、ここではINMが好き、というのが君に当てはまらない場合、そんなことをする必要はない。というかさっさと縁を切った方がいいな。


 そういった、均一化を求める思想に対しての反論は以下になる。


1.

「みんなが間違っている」

「今までが間違っていた」


2.

「みんなに当てはまる理由が、自分には当てはまらない」

「今まで成り立っていた理由が、これからは成り立たない」 


 だいじなのは、今まで同じことをしていた理由は何故?という所だ。これは前回の「問い」の発見も絡んでくる。


 前例通り、ルールの通りに片づけるのではなく、状況が逸脱していないか、状況を分析して、問題解決法を考えて実行する。これが主人公がすべきことだ。


 ここまででわかったと思うが、主人公の役目は問題を解決する事であり、それ以外の均一化された存在と言うのは、問題を顕在化させる存在だ。


 これがしっかり対比されていないと、実際はまだ解決して無くね?という事がよく起きる。と言うか書籍化作品でもよく見る。気を付けよう。

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