プロット版『男の娘大戦(仮)』

冬寂ましろ

プロット

※ご注意

プロット版として公開します。すごく読みづらいもので大変申し訳ございません。

こちらは執筆時間があまり取れず、長編として書きたいのだけどむずかしいと判断したものの、このまま世に出すことなく消えるのもな……と思い、この形でいったん出してみることにしたものです。ご要望があれば、ちゃんとした形で執筆できればと思います。よろしくお願いいたします。



■主人公

ゆう

ハーフアップ

引っ込み思案。シャイ

男の子に恋をしている。女の子にならなければと思っている

サブ主人公にひかれる

コスチュームモチーフは桜。サブ主人公に出会った春の日

武器はレイピア。一途な思いの結晶。思いの力とともに強くなってく


■サブ主人公

俊夫

委員長

黒髪ロング。委員長的な人。いろいろ仕切る

実は主人公の恋してた人

実はぼさ子の恋人に恋している

人を信じない

剣道やってる

コスチュームモチーフはセーラー服

武器は日本刀


■ぼさ子

髪の毛ぼさぼさ。大きなメガネ

転んだりトロくさい

いい人

実は恋人もいる大人な男の娘

絵を描く。美術部的な

サブ主人公が恋している対象に気づき、戦い中にあおりまくる

コスチュームモチーフは白衣

武器は絵筆。空中に絵を書いて召喚する

大会後は先生となって主人公たちを持ち受ける


■やんちゃ

ポニーテール

ホットパンツ

力で解決。一言多い。でもちょっとやさしい

コスチュームモチーフは拳法。戦い慣れてる

武器は鉾

肉弾戦のほうが得意

生活のために女装していた。触らせることでお金を取ってた

大会後はサブ主人公のライバル男


■バブ美

あみあみロング

あらあら系

主人公によくしてくれる。

モチーフは着物。和装

武器は三味線

大会後は主人公のお母さん


■ネガ子

セミロング

キャスケットをかぶってる

ぼそっとネガティブなことを言う

「そんなこと言っても結局ついているじゃん」

「どうせ死ぬんだ! うわわわっ」

ひきこもり

病みかわいい

承認欲求モンスター

「へへ…。こんなことしたらフォロワーさんにウケるかな…」

圧倒的な否定で現実を作り変える

武器は大きな鉤爪。現実を切り裂く

大会後は主人公たちが通っている学校の理事長


■アイドル

ツインテール

学校では女子で通している。

女子になるための努力を惜しまないが報われないことに心壊れる

モチーフはアイドル

武器はハルバート。トロフィーについてたもの

大会後は男のアイドルとなる


■小悪魔

ボブ

二ヒヒと笑う

いたずら好き。ドキッとする本心を聞いたりする。策士

接触多め。すぐ抱きつく。べたべたする

実はほかのデスゲームの生き残り。2週目。戦い慣れしてる

毒をまいて、戦いを有利に進めようとする

主人公を好きになる

モチーフはミリオタ

武器は各種ライフル

大会後は見守り役、神の使い


■ギャル子

一人称は「あーし」

「存在しているのかあいまいなもの、それでもいてほしいと願うもの。それを人は神って言うんだよねー」

男の娘にやさしいギャル。飴を咥えている

男の娘を戦わせている

目的は、ほかの神が楽しいことをやってるのに、自分がハブられているため

ほかの神は、うっかり女性化する願いを叶えていたりするが、本当はどんな気持ちなんだろうかと



■設定

・1vs1のデスマッチ

・バトルコスチュームや武器は各自にある強い思いが具現化する

・ステージはランダム。対戦者の心の持ちようが現れる






■召喚


母のいない間に女装する

鏡の前に移る女の子


ゆっくり涙する

「なんで僕、男なんだろ…」



「そんなに女の子になりたいの?」

鏡から光があふれる


気が付くと石畳の上

振り向くと大きなお城


「すみませーん。誰かいますか…」


さまよう

城の向こうは霧がかかって見えない

きれいな中庭に出た


「にゃっはー! 第一お友達はっけーん!」

「きゃっ」


「あはは、びっくりさせちゃった? 人がいるからうれしくなっちゃってさ」

「他に人は…?」

「うーん、私はまだ見てないなあ」


鐘の音が鳴る


「行ってみようか」

「うん」

「手、つないでいい?」

「…うん」


城の中にある礼拝所


扉を開けると、そこには人がいた


「やあ、君たちでみんなそろったねー」

「…ギャル?」

「あははー。あーしが君たちを召喚した張本人様だよー」

「…なあ、どういうことだよこれ」

「ふふん」

「やあやあ君たちは実についてるねー。ついてるよー」

「ついてる?」

「そうだよ君たちはついてる。体に」

「こーんなかわいいのに。みんな男だなんて」

「な…」

「どういうこと…」

「あー、男の娘って言うんだっけ?」

「これだけそろうとなかなか壮観だねー。いやああーしいい仕事した」

「よく君らを神様のいたずらとかいうけどさー。でも女の子っぽい『何か』だよね」

「俺たちを集めてどうするんだ? 魔王退治か? 王国再建か?」

「…デスゲームだろ」

「おお、あんた正解!」

「え…」

「これから君たちには戦ってもらいまーす」

「死ぬまでね」

「あ、死ぬよりもっとひどいことになっちゃうかも」

「そしてー」

「生き残ったひとりは、なーんと! 女の子になれちゃいます!」

「生まれたときから天然の女の子ー。すごいっしょ。周囲の人の記憶とかいろいろ改変しちゃうからバレません!」

「さあ、君たちは女の子になりたくはないのかい?」

「…私はなりたい」

「私も」

みんなで見つめる

ニマニマと笑う

「よしよし、みんないい子だね」

「おい」

殴りかかる。

ひらりとかわす。何度も何度も。

「な…」

「無駄無駄無駄ァ。ああ人生で二番目に言いたかったセリフ言えたー」

「ふーん、拳法か何かやってるな…」

「え?」

拳を手で止める

「あーしはやさしーから殴りかかってきたことは許すよ。でも二度目はないからね」

「なあ、あんたは何者だ」

「えーと、ギャル子っち」

「ギャル子? そのまんまだな」

「男の娘にやさしいギャル子さんだよー」

「…そんなのいるかよ」

「存在しているのかあいまいなもの、それでもいてほしいと願うもの。それを人は神って言うんだよねー」

「…神」

「まあそういうことー」

「何か質問はあるかい?」

小悪魔が手を挙げる

「はいはーい、戦うって、どういう形式ですか?」

「うーん、一対一で戦って残った人が勝ちかなー」

「戦い方は?」

「武器や防具は用意してあげるよー。あとは自由に殺し合って」

「時間制限は?」

「ないよー」

「この戦いはなんのために?」

「にゃははは。教えてあげないー」

「もしかしてもう戦いは始まってる?」

「そうかもね」

見つめるふたり

「ほいじゃ明日からがんばってねー」

「あー、ご飯とかお菓子とか用意してあるから。適当な部屋で寝てねー。ばいびー」

部屋の隅で消えてしまう

「…いなくなった」

動けないみんな

夢かこれ…。勝てたら女の子になれる…

私も…

僕も…

「さてと。ご飯でも食べよっか? 私はおなかペコペコでさー」

のんびり言う

ゆるゆると動き出す



■パジャマパーティー


ジュースで乾杯


「じゃー自己紹介ー。君から!」

「…僕は…」

「シャイだなあお前は」

「そういうとこやぞ!」

ビシッ

「ああもう、めんどくさいな」

「お前はシャイ子」

「お前は委員長」

「お前はネガ子」

「お前はボサ子」

「お前はバブ美」

「お前はアイドル」

「お前は小悪魔」

「俺はやんちゃとでも呼んでくれ」

「なんだよそれ」

「雰囲気でつけてみた」

「ああいいかもねー。名前を知られたくない子もいるだろうし」

ニマっと笑う

「それにしても君は奇麗だねー。女の子にしか見れないや」

「…ありがとう」

「有名人だもんね」

「え?そうなの?」

「えっ、知らないの。学園のアイドル様だよ」

「私は知っています」

「僕も」

「俺もやな」

「それにしてもすごいねー。普段から女の子として生きてるん?」

「…ええ」

「学園のアイドルが男の娘とはねー」

隠してたんだから、触れられるのはつらいだろうな…

「あ、あの…」

「あれ、もしかしてみんなおな中?」

「ほら、柊第二中」

「ん?」

「俺もそこだよ」

「なーんだ、みんな顔見知り?」

「…知るわけないだろ」

「いやアイドルぐらいしか知らない」

「ふーん、そっか。どうして連れてこられたんだろうねえ」

「そりゃあ…」

みんなが押し黙る

「ねえねえ、恋バナしようよー」

「やだ」

「ええ、そんなー。しようよーしようよー」

「ウザいなあ、お前」

「ねえねえ、君は好きな人いるの?」

「…はい、好きな人に振り向いてほしくてこんな格好を…」

「泣かせるねえ、いいねえ。どこまで行ったの?」

「行ったなんてそんな…、言い出すこともできず…」

「そっか。つらかったね」

「え?」

すごくやさしい顔をされる

「ねえねえ委員長はどうなの?どうなのー」

「教えない」

「そんなーつれないー」

「でもシャイ子の気持ちはわかる」

「なんだよー、結局委員長も恋する乙女かよ」

「…いいだろ、別に」

「まあ俺にとっては女装はあまりいいもんじゃなかったからなあ」

「まあな…」

「そっか。女装するなんて、人それぞれだもんねー」

「…変態どもめ」

みんな黙る

「さっきから思ったんだけどバブみ高くね?」

「バブみ?」

「ひゃーオギャリてえー!!どーん」

「男の娘ママなんていう概念、尊すぎー」

「あらあら」

「ほらシャイ子も来なよ」

「ふたりでむぎゅーだ」

「あはは」

「私、こういうのあこがれていたんです。女子に混ざるわけにはいかないから…」

「そーだよなー。なんかいいよなー」

「…そんなこと言ってもおまえらついてるじゃんか…」

「…」

「おい、お前っ」

「ヒッ」

「こいつは殴られないとわかんないんだ」

「待て、殴ることはない」

「おいなんだよお前。優等生のつもりかよ」

「ここはいいから先に自分のベッドへ行きなさい」

「…おまいらみんな死んじゃえ」

「てめえ」

「いいから」

「なんなんだよ。あいつ」

「そういうのもいる、ということだ」

「おまえ、さっきからむかつく野郎だな…」

「だったらどうするんだ?」

「あーん?」

「にひひ。まあまあおふたりとも。どうせいつか戦って死んじゃうんだからさ。今日のところは仲良くしようよ」

「むぅ…」

「ふん…」

「おめーこそ人のこと聞いてばっかりいないで自分のことをしゃべれよ」

「…秘密があるほうが女の子ってもんだよ」

「なんだよそれ」


「ごめんなさい…。私、そろそろ寝ます」

「おお、ゆっくり寝ろよー」

「おやすみー」

「おやすみなさい」

ちょっと心配だな…

もそもそとお菓子食べる

「じゃあうちらもお開きにしますか」

もやもやしたままお開きになる



次の日


「あ、あの!」

「僕は奇麗だと思います! だから気を落とさないで…」

「ありがとう」

頭をくしゃくしゃとされる

「君は優しい子だね」

鐘がなる

「さあ行きましょう」



「やあやあやあ。昨日は寝れたかい?」

「みんなむすっとしてるねー。あーしは悲しいなあ。ぴえん」

「あの…、どうしても仕合をしなくてはいけないのですか?」

「うふふ、いい質問だねえ。うんうん。考えてみようかなあ」

「それじゃ…」

「はい、考えたー! ざんねーん。仕合はするー」

「てめえ」

「これ」

「なんだよ」

「くじ」

「はいはい、引いた引いたー」

「あれ…」

「色がついているのが当たりだよー」

「当たりの人はおめでとうー」

「死合だよ」

「そんな…」

当たりのマークがある

「さてもうひとりは?」

「私です…」

「え…」

「そかそか。じゃ立って立って」

「そいじゃ行ってらっしゃーい」

フラフープみたいなのをかぶせられるとさっといなくなる




■対戦 主人公×アイドル


お花畑のステージ


一面のお花畑。

青空が広がり遠くには山並みが見える

鳥のさえずりが聞こえ、蝶がひらひら舞う


「…のどかなところですね」

「ええ。私来たことがある。父と母が仲良かったころに…」



「あー、ルールを説明するねー」

「願うことで、武器とバトル用衣装がもらえる」

「あとは戦ってどちらかが死ねば勝ちー」

「質問はあるかなー」

「…ないわ」


願う

「これは…」

アイドルぽい衣装だけど何かがふよふよと浮いている

手には大きな斧が握られている

「そっか…」


「…うう」

ピンク色の衣装。細身の剣が浮いている。


「準備できたら戦ってねー。死合開始ー。やんややんやー!」



「かわいいね。モチーフは桜かな」

「…桜は私のいちばん好きな花なんです。あの人との思い出だから…」

「へえ…、そう…」

ゆっくり目をつぶる


「さあ、剣を取って」

「でも…」

「取りなさいッッッッ!」

「ああもう。まったくイライラするな…」

雰囲気が一変する


「この斧は私のトロフィーなんだよ。音楽祭で優勝したときについてた飾り。これはね。私の証しなんだ!」

「お前らみたいな変態と一緒にするな! 私はもう女やってるんだ!」

「私のほうが女子力高いんだ! 毎日爪の手入れしてるし! 男にならないようにする薬をいっぱい飲んでる! 私は女だ!」

「なのに、なのに…」

「なぜっ、ついてるのよっっ!」

「ねえ、おとなしく倒されてよ。ねえ…。私、女の子にならなきゃダメだからさ…。ねえっっっ!」

一方的な殴り合い

シャイ子の血が花に散る。

「いっっ」

斧の降りぬきざまに、横に飛ばされる


「…耐えてはいるけど、これ無理ぽくない?」

「ひゃっひゃっひゃっ。もうサイコー」

「これほんとに女じゃね? どろっどろなとこがさー」

「でも、まあ。…つまんね」

「は?」

「ちょっと行ってくるわ」

「お、おい」


「あーららら。苦戦してるねえ」

「なんのようですか!」

「いやあ、やばたにえんのむりちゃづけじゃね? ちょっと応援したくなってさあ」

「どけよ」

振り下ろされる斧

だが。

指で摘ままれて止められる。

「あーし、そういうのはよくないと思うなあ」

鋭い眼が向けられる

「なん…」


「さあ立って。剣を構えて。そうそう。ほら相手を突き刺すように。肘をまっすぐ延ばせばぶすっと刺さるっすよ」

「できません!」

「そっか。うーん」

「できないと、君を殺すしかないなー」

「そんな…」

「どうする? あーしは別にどっちでもー」

やらなければ殺される。俊夫くんにもう会えなくなる…。

「やります…」

「そう! あーしはうれしいなっ」

「そいじゃれっつファイトぉ!」


どうすればいい…。どうすれば…。

息が荒くなっていく。体はカタカタと震えだす

考えて考えて、考え抜くんだ…


「そのままじっとしてれば? いま終わらせてあげる」

声を…声を出すんだ! 俊夫君が言ってた!

「でぇーーー」

走り込む

「はん。やる気でたじゃない」


走り込む

振り下ろすその刹那

足を踏み込んでぐいっと横を向く


「お前がみんな悪いッッッ!」

ギャルに刺さる刃

「え、なん…」

はあはあ…。

「なんてね」

ギャルが風船のように膨らむ。

パンっ。

「そんな…」

剣が刺さっていたのは、アイドルだった

「はは…痛いな…ちくしょう…」

「ねえ見た? あーしの変わり身の術。すごいっしょ!」

「どうして…」

「あーあ。これはずっぷし行っちゃったなあ。もうだめかもね」

「はは…。仕方ないか…」

膝から落ちる。

「いやあああ」

「頼む、来てくれ…」

ゆっくりとほほに手を当てる。

「私の代わりに女になってくれ。頼む…」


ゆっくりと花びらになって散っていく。

乾いた音を立てて剣が転がる。

最後の花びらをぎゅっと握る。

そのまま倒れる


手が温かい

目が覚めると委員長に手が握られていた


「起きたかしら?」

「え…、はい…」

「ふふふ、ちょっと寝かしてあげて。あなたを連れてきて、そのまま寝ずに看病してたのよ」

「そうですか…」

「ひとりで目を覚ますとさみしがるからって」

「私は…」

「そうだ、おなかすいたでしょ? なんか食べられそうなもの、持ってくるね」

「…すみません」


「あ、悪い」

「こちらこそすみません…」

「なんかすまない…」

黙ってうつむいてしまう

「体の具合は…」

「大丈夫です。でも…」

「でも?」

「私、人殺しちゃいましたね」

「!!」

「君は君だ! 人を殺しても変わらない!」

手を握られる。

「おかゆ持ってきたわよ…。あらあらまあまあ。青い春ねぇ」

「むう」

「あらあら嫉妬?」

「違うもん」

「かわいいことー」

「そのうち私に振り向かせるから」

「え?」


「やあやあ、第一死合、おつかれさん!」

「てめえ…」

「文句があるのかい?」

「いや…」

「じゃあ健闘してくれたアイドルちゃんに黙とうー」

「ひ、ひどいと思います!」

「へえ、言うじゃない。あーしを殺そうとしたくせに」

「…」

言い返せない。でもこの人を止めなければみんなが犠牲になる…。







「そいじゃ明日ねー」

「…なんで明日だよ」

「だあって。そのほうが恐怖感に蝕まれるでしょ?」






シャイ子とゲームするネガ子

「わく7でいい? あれ、好きなんだよねー」

「お、マルル使いか。いいねー」


「引きこもりでさー。中学なんて1か月も行ってないよ」

「ネットで配信やっててさ。わりとウケがいいんだ。常連さんも付いてくれてさ」

「よっと。ほら、これで必殺技だせるから。下ボタンでキックだから」

「なんかちょっと似てるんだよね。私と。だからさ」

「あはは、そこで出すかー」

「ありがとな。遊んでくれて」

手をつかむ

「あ、いや、…なんでもないんだ」

そっとシャイ子がネガ子の頭をなでる

「死ぬのはやだな…」

「うん…、そうだね…」







「はいはい、それじゃ次の死合にいってみよー!」

「もうかよ」

「さあさあ、くじを引いて引いてー」

「あっ」

「ひっ」

「さあ、見せて見せて!」

「おおっと、これは良い見ものだねえ。ベストマッチじゃん!」

「そうかなあ…」



■対戦 サブ主人公×ネガ子


「なんだ、ここ…」

倉庫のようなところ。


「さあ、願って願って!」



「日本刀か…。私らしい」

一振りの刀が出る


「なんだいこれ…。格ゲーみたい」





「うわわわわわっっっっっ!!」

「僕は否定する。こんな現実を!」

「なっ…」

ステージが作り替えられていく。

「クソい現実を切り裂け! リフューザルクロー!!」



「おいおいなんだよあれ。異能力かよ」

「現実が捻じ曲がるほど否定する。現実否定能力」

「はあ、なんでもありだな」




「ネットの友達は友達じゃないぞ。奇妙な動物を見て笑っているだけだ。目を覚ませ」

「お前は、私だけじゃなく、私のフォロワーもバカにするのか!」

「殺してやる!」



「あーあ。こりゃ委員長ちゃん死んだなー」


「そこに壁がないことを否定する!」

空間に壁が出る

委員長がそれを蹴って動く


クローを受け止め、足払いをかける




語り合う委員長と主人公

「いいなあ、私も混ぜてよ」

「小悪魔さん…」


3年A組悠さん

同じく

やめろ!


「にひひ。そんなに知られたくないのかなあ」

「このポケットに青い飴と赤い飴が入ってる。青い飴ならシャイ子ちゃん、赤い飴なら委員長の秘密を喋っちゃおうかな。女装するきっかけとか」

「やめてくださいっ」

「さてと」

「待て」

「じゃかじゃかじゃん!」

「あっ黒い飴だった。にひひ」

「小悪魔さん…」

「まあデスゲームに勝つんだったら、これぐらいの駆け引きをしてくれないとね…」

「な…」

「私の気持ちも知らないくせに」

「え?」

「君たち仲良いから仕返ししただけ。じゃあねー」


「仲良いたって…」

「あの…ごめんなさい。僕には好きな人がいるんです。俊夫君という…」

「…」

無言になる

「…いつか私たちも殺し合いをするんでしょうか…」

「そうかもしれない。でも、いまじゃないさ」




「いやあよかったねー。第二死合ー」


「なんでまた私…」

「くじ運が悪いねー」

「あらあら」





■対戦 主人公×バブ美

冬の砂浜

「さみしいとこですね…」

「でも、それはそれでいいとこよ」

「知ってるとこなんですか?」

「ええ。懐かしいわ」


願う

和装魔法少女

「そっか、これが私の武器なんだ…。三味線さん、よろしくお願いします」


「あははは。なんだよ三味線って。あれで殴り倒すのかよ」

「それはどうかしらね…」


「私ね、お母さんになりたかったの。優しいお母さん」

「私の母はひどい人でね。鬼だった。津軽三味線の高名なおじいちゃんが私の父親。優秀な種を求めた結果だそうよ。物心ついたときから来る日も来る日も練習練習。一音間違えるたびに殴られた。スマホは折られ、友達とは縁を切られ、三味線に関係ないものはみんな捨てられた。母を恐れ憎んでた。でも、これは…これだけは…。三味線だけは嫌いになれなかった」

私、お母さんになれるかな…

ベベン。ベベン。

少しずつ高音から低音へ。

少しずつ小さい音から強く大きな音へ。

「だめ…そんな音を奏でられたら…心が持って行かれちゃうッッッ!!」

べべべべベン。音がうなりを上げ、濁流となって飲み込んでいく

「うわっっっっ」

地面に倒れ込む。内臓をぜんぶ地面にぶちまけたような感覚。


「へえ、なかなかやるじゃん」

「心がかき乱される…。不快だな…」

「俺はそうでもないぜ」


「ごめんね、すぐ楽にしてあげるから」

三味線の弦を口に咥えてすっと延ばす。

口を離すと、弦が首に巻きつく

「うぐっ」

まきついた弦を首に傷をつけながら切る

首から血がぽたぽたと垂れる

「あらあ、痛そうね。大丈夫?」

はあはあ息を付く

「ごめんなさい、いまからあなたを傷つけます」

「礼儀正しい子ねー。ママ感心しちゃう」

速さが足らない。だからこうする

駆け出す

三味線で防ぐ

そこを足場にして空中に飛ぶ

「私を踏み台に!」

回転させながら剣を振り下ろす

バチで防ぐ

そこを支点に後ろにまわる

ふりむきざまに首をうつ

首に三味線の弦を巻きつけて防ぐ

そのまま一回転して下に振り下ろす

傷がつく



「いやだ…いやだ…」

「笑って。お願いだから」

「いい女の子になるんですよ」



ぼさ子が言う

「バブ美さんいなくなってさみしくなりましたね…」








■対戦 サブ主人公×やんちゃ


大きな道場

「ああ、こりゃわかりやすいなあ。俺たち向きじゃね?」



「さてと。じゃ始めようか」

「ああ」



「へえ、誰かに知られたくない、というところかな」

「…お前の口をふさいでしまえば問題ない」

「おー、怖い怖い」

「でも、本気で来ないと、怪我するぜ」



「さてと、どうする?」

すべての技を封じられる

「…正道を押し切るのみ」

「いいねえ、力のごり押し。大好きだよ」


剣を防御し、武器を折られる

「まあ、いっか」

回し蹴り

「悪い悪い。顎に当てて脳みそ揺らそうとしたんだけど、思い切り入っちゃったな。痛かったろう? どうも体が軽くていまいち動きをつかみきれないなあ」

「お前…」


「俺はさ、弟を守れたらなんだっていいんだよ」

「こういう世界って、その手の人も多くてさ。強さへの憧れが性欲になるやつ?」

「うちの道場にいるグレーな人たちが弟に手を出そうとしたから、こんな格好して気を引いてさ。俺は防波堤でいいわけ」

「ぶっちゃけ女になりたいとかよくわからないんだ」

「あんたはどうなん?」


「私は…」

「女になりたい。好きな人のために」

「たとえ人を殺してでも」


「へえ、じゃ負けてもいいんだけどさ」

「なん…」

「まあでも、この拳がそれを嫌がるかな」

「もうちょっと楽しもうぜ。この殺し合いを!」

「おまえを倒す。力ずくで!」




「いまのはよかったよ。危うく死ぬとこだった」

「ああ、死ぬのはちょっと怖いな」




倒して委員長が泣く

「誰も信じなかった。誰も。でもお前の殺意だけは信じられた」




「今度は私が委員長を助ける番だ…」



 灰色の建物の物陰にひっぱられてきた。

 「どうしたんですか? こんなところに…」

 小悪魔はシャイ子をまっすぐ見つめた。その顔は驚くほど真剣でどこか焦っていた。

 「小悪魔さん?」

手を掴まれて上にされる

 「うわ、かわいい!」

何かの間違いだろう。きっと誰かが助けてくれるだろう。

 ほら、漫画や小説のように、ここでお邪魔キャラが来るんだ。きっとそうだ…。

 でも誰もやってこない。誰もこない。

 どうしよう…。どうしたらいいの? 私…。

 「だめ。逃げちゃ」

 シャイ子の頬に小悪魔の手がそっと触れる。

 あ…。

 唇と唇が触れた。

 甘い吐息をふたりが感じる。

 気持ちが刹那つながる。

 次にそれを引き剥がすように、ふっと唇が離れた。

 「委員長のものになっちゃやだ」

 甘えるような懇願するような言葉を放つと、小悪魔はまたシャイ子の唇を吸う。

 シャイ子は混乱していた。

 温かく柔らかく甘い小悪魔の唇。

 やさしく寄り添われた小悪魔の体の重さをゆっくり感じる。

 小悪魔さんは僕のことを…。

 「これでもう僕のこと、忘れられないよね。にひひ」

 パッとシャイ子から離れて、小悪魔はいたずらっぽく言う。

 「どうして…」

 「にひひ」

 くるりと小悪魔はシャイ子を背に歩き出す。

 振り返らずに小悪魔は言った。

 「僕が死んでも僕のこと覚えていてね。じゃあーねー」

 





次の対戦相手が選ばれる

「お前…、ハメたな」

「あーし、わかんないなあ」

「取引しただろ。シャイ子に当てるなって」

「さあてね」

「…」


「ねえ、ということはあらかじめ私たちの対戦相手は決まってたということ?」

「よくわかるねー。あーし、そういう推理大好きだよ」

「これ勝ち抜き戦なの?」

「ご明察ぅー」

「だから小悪魔さんは…」





■対戦 主人公×小悪魔


でたらめな空間。いろいろなものが浮かんでいる


「なつかしいなあ。このゲーム。このフィールド。徹夜でよく遊んだよー」


小悪魔が願う


「ああ、私、ミリオタなんよー」

「ハンドガンもあるのかー、ベレッタM92ね。こりゃフル装備だねー」


「さてと」

にっこり笑う。

こめかみに銃をあてる

パン。

「小悪魔さん!」


「あー、やっぱり自分で死ねないのかー。なるほどねえ」



「なあ、ちょっと教えてくれよ」

「なにかなーなにかなー」

「死より恐ろしいことってなに?」

「それわねー。女装できなくなること」

「毛むくじゃらマッチョになるかもしれないし、誰かにバレちゃうかもしれない。まあ二度と男の娘にはなれないわけだー」


「そんな…」

「じゃ死にたくはないな」

「でもまあ。願いは叶ったし。にひひ。悔いがないように行こうか!」







「あらら、かくれんぼかなー」

「魔法の対物ライフル~、マジカルバレットM82~」

ズドン

「ひッ」

「隠れても無駄だよー」




「にひひ。さあて、爆弾はどっちかな?」


「手慣れているな…」




「さーすが2週目」

「知ってて召喚した?」

「もちろん。君は別のデスゲームで生き残って、男の娘になることを願った。誰かさんのために」

「とびきりの人殺しだよ」

「ねえ、ギャル子ちゃん。人には知らせないでほしい想いもあるんだよ」

「えー、あーしバカだからわかんなあい」


「まあいいや」

「じゃやろうか」


主人公を戦いの中で鍛えていく


「なにあれ。あーし、そういうのはちょっとムカつくかな」



「へへ、うまいじゃないか」

「そんな顔しなさんなって」

「ぼさ子には気を付けてね」

パンとはじける



ぼさ子とごはん

「3人になっちゃいましたね…」




■対戦 サブ主人公×ぼさ子


夜の学校




「ご、ごめんなさい。私トロくさくって」

「いや…」

「ところで…。牧原先生ご存じでした?」

「な…」

「ああ、やっぱりぃ」


「先生がね…。私を使ってくれたんですよぉ。私の体を。それがとてもうれしくてぇ」

「ああ、女の子になって、もっとかわいがってもらわないと…」

「そっか。私が女の子になったら妊娠できるんですよねぇ」

「くふふ、私があの人の子供を産むんです。なんてすてきなんでしょう。さあ、早く死んでよ…。死んでくださいっっ」


「君が思い恋焦がれていた先生は、ロクデナシのスケベな性欲魔人さんですよぉ」

「やめろっっ!!」

「やめませんよお。あなたを殺すまで」


「もうだってえ。女の子になる意味なくないですか? あこがれてた先生を私が取っちゃってるんですからぁ」

「だからちゃちゃっと死んじゃってくださいよー」

「…そうだな」


「私、なんて運が良いでしょう。あなたを殺したら、次はシャイ子ちゃんですよねぇ。くふふ、あの子なら簡単に殺せそうですぅ」


「シャイ子…」

「なるほど。なら。まだ死ぬわけにはいかないな」


「速い!」

筆ごと両手首を切る

「痛いじゃないですか…。ああ、とても痛いな…」

「いま楽にしてやる」

踏み込む

「てぃひひ。なんてね」

血で空中に絵を書く

「バカですねー。最高にバカですねー。腕と血さえあれば絵は書けるんですよぉ」

突っ込む

避けられずバケモノを切り捨てる

その先にぼさ子はいない

「ばあ」

後ろから襲い掛かる

「お前の技、使わせてもらう」

回し蹴り一閃。

バケモノごと吹き飛んでしまう

「な…な…」

「いやですぅ、死ぬのはいやですぅ」

這って逃げようとする


「シャイ子は殺させない」

バサリ

「いやあ、私は女の子になるんです!。いやあ、いやあ…」

消えていくぼさ子



「ちーす。ついにふたりになっちゃったねー」

「おまえ…」

「ううーん? 何かなー」

「仕組んでだろ?」

「まあそうかもね」

「僕を知ってる奴がいた。だが僕は知らない。どういうことだ」

「さあて」

「縁というものがありまして。その糸をちょっと引っ張ってみたんですよー」

「縁…」

「そう。この参加者はみんなどこかでつながっている」

「なんでそんなことを」

「だあって! そのほうが楽しいっしょ。知り合い同士の殺し合い。さいこーにウケるっ!」

「ウケる…だと…?」

「お前たちはあーしをウケさせるために連れてきた。ここまでは実に楽しめたよ…。ほんとウケる」

「おまえ、そんなことのために…」

「あはは、そんなに怒りなさんなー。明日で決まるし、どっちかは帰れるっしょ」



寝付けないふたり

「夜風は毒、とか言わないでくださいよ」

「ああ」

「…なんであのとき看病してくれたんですか?」

「言わないほうがいい。お互いつらくなる」

「そう…ですね…」


「私、好きな人がいるんです。その人のために女の子になりたいんです」

泣きながら言う

「だから負けません!」

「そうか…」




■対戦 主人公×サブ主人公


春の桜のもと

花弁がちらちらと舞う

「きれいなとこですね…」

「ああ…。君は雪みたい。春の雪だね、と言ってたね」

「え…?」

「謝らないといけないことがある」

髪を束ねる

「俊夫…君!」

「ごめん。ごめんな、優」

「そんな…」


「さーて、姿形が変わっても、君は愛せるのかなあ?」

「あんたたちはよく似てたよ。好きな人のために女になるなんて。そして二人とも振られた」

「あひゃひゃひゃ、なに、その顔。いいねえいいねえ。写真取っていい? はい、ちぃーす」


「うわわわわっっっっ」

「ちょちょっと、何よー」

「お前…殺す!」

剣で切り裂く

「みんな女の子になりたがっていたのに! 信じてたのに! それをお前は!!」

ギャル子はひらひらとかわす

「あははは、そんなこと無駄っすよー。逆恨みは困るっすねー。相手はあっちでしょあっち」

「それでも二人なら!!」

「な。卑怯じゃなくね?」

追いつめてく

避ける先に必ず誰かいる

転移ができない

「あらー息ぴったりだねー」

ほほに血が流れる

「ちっ」

「少し本気になってあげようかにゃー」

「来い! 神剣アウローラ」

剣を召喚

バトルスーツ姿になるギャル子

「これは神様しか見たことない剣。人間には初公開。君たちは実についてるね」

ぶんと振り回す

風圧で桜吹雪が舞う

二人を圧倒する

「さあて、ちゃんと戦ってもらおうかな。二人でね」

「ほら、立ちなさい。死合を終わらせましょ。…この変態どもが」


「ちぃーす」

「やあギャル子っち」

「な…」

「なんか面白いことしてんなー。私たちも混ぜてよ」

「なんでてめえらが来るんだよっ」

「えへへ」

ギャル集団が来る

「ちょっと呼ばれてねー。あの子に。ここでは小悪魔ちゃんだっけ」

「あいつ…余計なことを…。死んだ後に告げ口したな…」

「前のデスゲームでの縁でねー。あの子勝っちゃったから、私たちも一目置いてんのよねー」

「だからって、ここに来るのかよ」

「はい、没収。剣もらっていくねー」

「な…」

「じゃ、捕まえちゃってー」

「ちょちょっと。何でよ」

「お前は私たちのおもちゃをぶち壊したんだ。報いは受けろ」

「な…」

「男の娘は神様のいたずら、って言うじゃん。いたずらしてたおもちゃを取り上げられたらそりゃあ怒るっしょ」

「まー、怒りゲージはムカ着火ファイアーぐらいだから、3000年ぐらい辺縁の深淵で幽閉かなー」

「ちょちょっと待って。おかしいじゃんそんなの。私にもいたずらさせてよ。あんたたちたくさんやってんじゃん。楽しそうにしてたじゃん。なんであーしはダメなの!」

「だってさあ」

「あんたムカつくから」

「なにそれ…」

「ほいじゃ行こうか」

「いやだっ」

「もー、めんどくさいなあ」

みんなで押さえつけられる

「こんな…こんな…」


「ごめんね、あんたたち」

「いえ…。助けてくれてありがとうございます」

「いい子ちゃんだねー。お姉さん気に入っちゃったなー」

「私たちは…」

「そのまま帰してあげたいんだけど…帰せないんだ」

「どうして…」

「あれでも神様だからねー。神の契約は絶対だから、私たちにも修正不可能」

「じゃあ」

「そ」

「誰かが死なないと帰れない」

「な…」

「まあ、ここでは好きなだけ暮らせるからちょっと考えてみてよー」

二人は見合わせる

「ありがとう。好きでした」

「…ああ、ありがとう。私もだよ」

2人で刺しあう

「あ…」

「なんてこと!」

「ぎゃははははははは、死んじゃえ死んじゃえー」

痛さより安堵していく

「いっしょに死んだらどうなるのかな…」

意識が遠のく




■それから


鏡の前で身支度する主人公

女の子の恰好をしている


学校へ行く

「おはよ」

サブ主人公が迎えに行く。男の恰好

「…うん、おはよ」

手をつなぐ

学校では男になったアイドル先輩がウザがらみをする


先生と話す

あ、ぼさ子!


集められたのは同一年代ではないこと

君たちを見守っていたことを話される


「どうです?ふたりは?」

「いいんですか理事長先生。お会いにならなくても」

「ええ、いいんですよ。そのほうが。ぼさ子くん」

「そうですか、ネガ子さん」

「救えない現実をたくさん否定なさってこの学園を作られたのに」

「いいんですよ。彼らの思いまで否定はしたくないんです」


部活で戦うやんちゃとサブ主人公。いいライバル


帰宅する

棚の奥で三味線を見つける

「私、ちゃんとお母さんやれてるかな…」

「うん、やれてるよ。大丈夫…」

「そう、うれしいな。うれしいなあ」

「なんでお母さんは男にならなかったの?」

「女装が似合わない、ということは女にもなれるということよ」

「私たちは死合のあと、選ばされたの」

「えー、私のときは何もなかったのに」

「捕まっていたんでしょ、むずかしかったんじゃない?」

「あいつ、ずるいな…。でも案外いい奴だったのかな」


ふたりで夜散歩

サブ主人公が苦しむ

人気のないところで、胸をゆるめる

「相変わらずご立派で」

「そんなこと言うなよ」

「まさかタッチの差で先に死んでしまうとは…」

「…ごめんな。お前ついてるんだろ。すまない…」

「いいよ、私は。君が好きだから。一緒にいられるから。それでじゅうぶん幸せ」



「こーんなとこで覗いているなんて不健全ですなー、小悪魔ちゃん」

「見守っている、って言ってほしいな」

「えー、あーしからしたらどうみてもストーカーじゃん」

「罪をゆるす代わりに僕に隷属したんだから、もう少しそれらしい態度を取ってほしいな」

「えー、ぶっちゃけノリで生きてるんで、無理っしょー」

「神って言うやつは…」

「あっ、ははーん、シャイ子ちゃん好きだったんでしょ」

「まあね」

「おっ、否定しないねー」

「好いた女がいちゃらぶしているのジェラシーわかない?」

「わかないよ。だって幸せだろうから」

白い羽が広がる

「僕は見守るぐらいでちょうどいいんだよ」

ふわりと夜の空に上がっていく

「もー待ってよー」

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プロット版『男の娘大戦(仮)』 冬寂ましろ @toujakumasiro

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