第2話 結婚の葛藤

昭太郎は帰省した。


久しぶりに美代子と対面した。

美代子は、美しく育っていた。

美代子も、昭太郎と再会できてとても喜んでいた。


昭太郎は美代子に言った。


「いつか、俺の住む町に来て欲しい。今すぐとは言わない。いつか、俺は美代子と一緒に暮らしたい」


これはもはや、プロポーズであった。

美代子は、白い頬を赤く染めて、黙ってうなずいてくれた。


昭太郎は町に戻り、新薬の研究開発に追われる日々を過ごしていた。

ある日、昭太郎は社宅の前に立つ女性を見て驚く。


美代子だ。

美代子は大きな荷物を抱えて、昭太郎に会いに来ていたのだった。


美代子は、祈祷師を継ぐかどうか、迷っていた。

昭太郎のところに来たのも、都会の生活への憧れがあったのかもしれない。

そして、何より、町には幼馴染の昭太郎がいるのだ。

美代子は、親の反対を押し切って家を飛び出してきたようだった。


昭太郎と美代子は、一緒に生活するようになった。


美代子は、カフェーの店員として働き始めた。

昭太郎は、製薬会社での研究に没頭し、さらに成果を上げていた。


昭太郎の働きぶりは、会社役員の目に留まり、贔屓にされるようになる。

「昭太郎クン、実は縁談があるのだが、受けてくれるかな」

会社役員の娘との縁談だ。


沙織さおりさんだ。どうだ? 器量よしだろう?」

写真を見て、その美しさに目を奪われた。


「会うだけ、会ってみないか?」


さすがに、上司からの縁談を断るわけにはいかない。

それに、写真の美女に会ってみたい気もした。


話は進んでいき、お見合いの席が設けられた。

昭太郎は、目の前の沙織を見て、写真以上の美しさに驚いた。

美代子とは違い、都会でお嬢様として育てられた沙織の魅力に、昭太郎は心奪われてしまう。

沙織もまた、昭太郎を気に入ったようだった。


昭太郎は葛藤した。

幼馴染の美代子と結婚するのか。

出世のために沙織と結婚するのか。

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