7 その後
「篤史くん、話があるのだけど」
数日後、僕の家にやってきた海凪……ううん、冷奈は、部屋に入ると目の前で正座をしてみせた。
背筋をしゃんと伸ばして座るさまは大変美しい……じゃなくて。
「どうかしたの? てか、その荷物」
「えぇ、私をここに住まわせてほしいの」
「へ?」
なにを言ってるんだこの子は。
キョトンとする僕に、冷奈が恥ずかしそうに告げてくる。
「その、家に帰ってもひとりで、寂しいから……篤史くんと、一緒に暮らせば、ずっとそばにいられるし……」
「うん、それは嬉しいんだけどね? そういうのは親に聞いてみないことには」
「お母様には先ほど、許可をいただいたわ。合わせて、お父様の方も力づくでなんとかすると言ってくれたの」
「はぁ……」
まぁ、あの人ならそう言うよねー。
ひとつ息をつきながら、次なる疑問を投げてみることに。
「ウチ、空いてる部屋がないんだけど……どうするの?」
「ここでいいわ」
「――いやいやっ、ここ僕の部屋だから!」
「どうせずっと一緒にいるのだから、なにも問題はないでしょう?」
「ぷ、プライバシーというものがありましてね!」
「恋人である私に隠してることでもあるの……?」
「あ、いやその……僕だって思春期男子ですから、見せられないものとか」
「オカズなら私を使えばいいじゃないの」
「へ?」
ナニイッテルンダ、コノコ?
頭がフリーズしかけてる僕の前で、冷奈が立ち上がり、ブレザーのボタンに手をかけ始めた。
「ちょちょちょっ! なにやって! 脱がないで!! ストーーップ!!」
「ずっと一緒にいるためなら、私なんでもするわ。口でも手でも胸でも穴でも好きに使っていいから」
「いやいやっ! ありがとうございます!?!?!?」
いけない、魅力的な誘いすぎて頭が良くない方向に働いてる。
理性を取り戻そうと自分にビンタをかましていると、冷奈に止められてしまった。
「なにしてるの、そんなことしたら腫れちゃうじゃない」
「あ、うん、ごめん……」
「少し、赤くなってるわね。これは冷やさないといけないわ」
「そ、そうだね……――ってちょっとーー!?」
「私を氷の代わりに使ってちょうだい」
「んーっ、んんーっ!!」
着ていたブラウスをはだけながら、迫ってくる冷奈に僕は押しつぶされた。
大きく、それでいて柔らかなものに挟まれながら、ぼんやりした頭で考える。
氷みたいな女の子を溶かすときは、ちょっとずつ熱を与えていくべきなのかもしれない。
じゃないとこんな風に、ドロドロになっちゃうみたいだからね……。
氷みたく冷たい美少女にセクハラしたら、なぜか付き合えることになったんですが!? みゃあ @m-zhu
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