DNAの目くらまし 🐊

DNAの目くらまし 🐊

　長男を首相秘書官にしたという報道に、ヨウコは「やっちまったな～」と思った。

　人物は知らないが、ゴマカシを旨とした歴代よりはマシと思いたかったのに……。

　それまで曲がりなりにも尊敬を受けていた人物が、実子が絡むとややこしくなる。

　浅ましき人情の最たるは「血の繋がり」であることを史実が顕著に証明している。

　豊臣秀吉：実子・秀頼の誕生で養子・秀次が邪魔になり、凄惨なる一家根絶やし。

　福島正則：実子・忠勝を得ると、養嗣子・正之が不要となり、冤罪で牢死させた。

　天下人と腹心による図らずも瓜二つの事件を神はご覧になっていたにちがいない。

　大坂城と秀頼の自滅、非業の死と子孫の格下げ……因果応報を絵に描いたような。

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　いまや二・三世議員ばかりという政界は言うまでもなく、身近な周囲を眺めても、いつの時代ですか？　と揶揄（からか）いたくなるほど、ふつうに世襲がまかり通っている。

　何十年も企業に尽くし、支え、創業社長と命運を共にして来たつもりの古参社員が苦労知らずのばか息子のもとで無心に働けるはずがあろうか（表面上はともかく）。

　知らぬは本人たちばかりなりの見苦しい状況をよく見聞きするが、そういうヨウコ自身、もし息子がいたら、たとえ力不足であっても後継ぎに据えていただろう。💦

　俳句や短歌でも子や孫自慢は却下、なかには孫の一字があるだけで採らない選者もいるほどなのに、こと自分のことになると、人間は真実が見えなくなるものらしい。

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　自分、わが家族、わが国 etc.血に関するすべてにおいて目くらまし現象が起こり、先に現在のウクライナに見るようなジェノサイドが待っているとしたら……。💧