第9話 あたたかなてのひら・後編

 彼女の異変に気が付いたのは、極端な首の違和感だった。

 刻印の箇所が冷たく感じ、はじめは氷でも当てているのかと思った。しかしそれは異様に長く、俺はその冷たさがつらくなってきたのだ。委員会の仕事を急いで終わらせ、彼女を探しに行ったらこの有様である。


 標的のガキは、予想に反して大人しく庭の外で待っていた。駄々をこねるでもなく、泣きそうな顔をしているでもなく、ただじっと俺を見つめ返していた。


 幼女の小さい体とは不釣り合いなほどの、大きな黒い両手使い魔。彼女たちはどう見ても新規の狩人である。しかし先程の戦い方を見るに、あまりにも息が合っていて純粋に驚いた。

 契約したばかりの使い魔は「主の存在の大きさ」と「躾」が脳に刻みこまれていないと、大抵言うことを聞かない。俺んとこの使い魔子猫も、少し前までは言うことを聞かなかっただろう? それと同じで、契約していても躾がなってないと意味がない。


 この子が大型の悪魔を手懐け、躾けられるようには思えない。使いこなすのも難しいはずだ。


「その手、誰に与えられた?」


 俺の問いに、幼女は何故か首を左右に振った。


「この子たちはずっとまえからいっしょにいた」


 彼女の左と右に黒い手が浮かぶ。それぞれの親指を、彼女は小さな手で握っていた。


 このガキが言うに、彼等は誰かに与えられたモノではないようだ。となると残る可能性は、彼女は魔女の家系に生まれたということくらいだろうか。だが、コイツ自身からは魔力を感じられない。傍らにいる悪魔から溢れている魔力はあるというのに。


「お兄さん、マリはたたかいたくないよ」


 愛らしい顔を険しくし、舌足らずな口調で言った。


「マリはママとパパに会いたいだけなの。お姉さんをマリにわたしたら、お兄さんはたたかわなくていいんだよ」


 その、なんでも知っているかのような口振りに黙って聞いていられなくなった。思わず大きな溜息を吐き、改めて目前の狩人を睨みつける。


「おねーさんの方の気持ちも考えたらどうだ? あと、魔女狩りに指示されるのは癪に障るんだが」

「まじょがりって? なぁに? マリはまじょがりなの?」


 可愛らしく小首を傾げ、余計に表情を険しくさせる。


 その返答にはっとして冷静さを取り戻した。泉が言っていた通り、このガキは魔女狩りではない? つまり、俺の攻撃対象ではないということか。


 逡巡した後、両手をひらりと上げてみせる。俺の行動に驚き、理解ができなくなった幼女は混乱してしまったようだ。影を握っていた手を離し、一歩後ろに下がる。


「何もしない。だけど、俺の話を聞いてくれないか」


 努めて優し気な声音で話しかける。幼い子は聞き返し、警戒を解いた。


「あのおねーさんは、訳あって俺の元から離れちゃいけないんだ。だから、お前には渡せない」


 途端、彼女はむっとした顔になって片手を突き出した。しかし使い魔はぴくりとも動かず、主の命令を聞かない。

 彼女がひどく取り乱し焦っているのを、俺は気付いていないふりをした。気にせずに話を続ける。


「お前、父親と母親を探しているんだろ。言っておくけど、あのおねーさんは違う。アイツはただの女子高生だ」

「ちがくないっ! かみ様がおしえてくれたんだもんっ!」


 やっと年相応の、甲高い喚きを漏らした。今にも泣き出しそうな顔で、拙い理由をたくさん並べて俺の言葉を否定している。どれもちゃんとした、明確な理由ではない。ただ繰り返し、神様が、神様がと言って必死に首を振っていた。


 俺はどうしてか、それを黙って聞き続けている。いつもならすぐに手を下して終わらせるというのに。


 理由は単純。俺の思考の隅に、哀しそうな表情をした彼女が立っていたのだ。

 彼女なら疑わずにしっかり話を聞いてあげるだろうと思った。こんな幼稚な喚きを、飽きもせずに頷いて聞くんだろうなと思えたのだ。

 こんな知ったような口だが、実際泉については本当に何も知らない。知る必要性は無かったから。

 呪いにかかっても、解けても赤の他人。そう思わなくてはこれから先、魔女としての償いに支障をきたすと考えた。


 でも、事実は全くの逆を走っている。俺自身がもっと彼女について知りたいと思ってしまっているし、何より気掛かりになって仕方ない。これがいわゆる「恋」というものなのかも、泉との呪いが解けてしまったら俺はどうするのが正解なのかも分からない。本当に無知だ。


 少女は終いに泣き始めた。もう抵抗する言葉が見つからないようだった。


 ガキと魔女狩りは嫌い。しかし、今日ばかりは我慢するとしようか。


「おいで」


 俺は幼い子を抱きかかえ、使い魔たちについてくるように言った。


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 庭の桜は以前と変わらず、花弁を空に踊らせていた。気温が高くなっても悠然と林立している。


 彼の言った通り、戻って来るのに時間は掛からなかった。しかし、彼の腕の中で泣きじゃくるマリちゃんが泣き止むにはかなりの時間を要するようだ。


「やっぱり魔女狩りじゃなかった」


 開口一番、千田くんはそう呟く。嫌そうながらもしっかりと幼女を抱え、不器用に優しく背中をさすってあげていた。


「どう、しようね」

「コイツにちゃんと説明しないと二の舞になるかもしれないしな」


 慣れない子供のあやしに時折、表情を歪ませるが泣き止むまで離そうとはしなかった。代わろうかと私が手を伸ばしたが、首を振ってやんわり断られる。


 暫くしてやっと落ち着いてきたようで、マリちゃんはこちらの声にも反応を示すようになった。しかし千田くんに降ろしてもらい、私のことを見ると全ての平仮名に濁点が入ったような「ごめんなさい」を言い続けた。自分がやったことを反省しているようだ。


「お兄さんがっ……おじえでぐれでっ……マリがっ、わるがだっで……っ」


 しゃくりあげつつも必死に話してくれた。同じ目線にしゃがんだ私は、何度も頷きながら聞きとる。

 ここまでの道中、彼は泣いていたマリちゃんにある程度の説明をしてくれたそうだ。私は魔女でないということや、神様はマリちゃんを騙していたということ、そして私たちは攻撃しないということ等。その全てを信じてくれたようで、マリちゃんからの敵意はほとんど無くなっていた。


「ただ……一つ引っかかる」


 立ったままの千田くんを見上げ、私は続きを催促する。


「コイツの使い魔、なんかおかしいんだ。多分、悪魔じゃねぇ」

「悪魔じゃない使い魔なんているの?」


 私の問いに彼は、稀にあると答えた。


 彼女の小さい影から巨大な両手が、少しだけはみ出ている。顔はないし表情も分からないが、そわそわと落ち着かない様子であるのは何となくわかった。主を――マリちゃんを心配しているのかな。


「マリちゃん、このおててたちはいつから一緒にいるの?」


 そう問うと、彼女は泣き腫らした目をこちらに向けた。


「わかんない。でもね、ずっといっしょにいたの。ずっとずっとまえから」


 ずっと、前から。


 言葉が脳を反芻し、一気に思考が回る。ぐるりと過去が、脳内を廻る。

 指先の、なんとなくの答えらしきものに辿り着く感覚。私はそれを信じることにした。


「おててたちを呼んでくれないかな」


 私のお願いを聞いて、マリちゃんは首を縦に大きく振りながら返事をする。

 彼女は自身の右斜め後ろに振り返った。自分の影に話し掛けて幼い両手を伸ばすと、そわそわしていた使い魔たちが大人しく地面から顔を出す。いびつで大きな手の影は、ふわりと私の前へ移動してきた。


 一連の流れを黙って見ていた千田くんが純粋な質問を口にする。


「何する気だ」

「うーん、私もよくわかんない」

「分かんねぇのかよ」


 本能的に、なのかな。


 そう呟くと彼は、私に視線を向ける。おかしく思っているようで、それ以上は何も言ってこなかった。


 影の両手は、まるでお互いに寄り添うようにして浮かんでいる。感情は読み取れないし、何を考えているのかも分からない。でも、守っているということはわかる。


 彼らの後ろに立つ幼い子を、『親』のように。


「 貴方たちが、マリちゃんのお父さんとお母さんなんですね 」


 私の中に疑念は無かった。今までの彼女の言動から見て、これしか答えはないと思った。

 子を想う父と母。

 まさに、その想いの権化なのだろう。


 私の発言に千田くんは、なるほどと独り言ちて私の隣に立つ。そして、こちらを見て口角を上げ「よくやった」と言った。不本意にも、その笑いに対し照れくささを覚える。


「貴方たちの過去を、少しだけ見せていただけませんか」


 彼の言葉に、影たちは手を差し伸べるように掌を上に向けた。マリちゃんには少し待っているように言い、私と千田くんは差し伸べられた手に自身の手を重ね合わせる。それと同時に彼は私の反対の手を握り、大丈夫、とだけ言った。

 途端、意識が霞んで瞼が落ちる。頭の中で霧が立ち、その奥で何かの声が聞こえる。私は左手に冷たさを、右手に温かさを感じながら集中した。


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 まず聞こえたのは、幼い声。それに続いて大人の笑い声が響いた。


『ママ、パパ! はやくいこうっ』

『待って真吏マリ、走ると危ないわよ』

『本当、真吏は水族館が大好きなんだな』


 白く濁る視界が少しずつ明るくなってきた。そこには白い小型車の周りではしゃぐ、ちいさな少女とそれを見守りつつ、車に荷物を詰める女性と男性。考えるまでもない、泉にマリちゃんと呼ばれていた子供とその親だ。


 彼等はこれから水族館に行くようで、幸せそうな空気を纏っていた。


 視界が一旦暗くなる。再び明瞭になった頃には、目を覆いたくなるような景色があった。


 白い車体に滴り落ちる赤。少女の泣き叫ぶ声と途切れ途切れに鳴らされるクラクション音。

 あの一家は目的地に向かう道中、高速道路にて事故に遭っていた。

 運転席と助手席は勢いよく潰れ、開けていたであろう窓から彼らの手が飛び出ている。後部座席のチャイルドシートに乗っていたマリは、幸いにも目立った外傷は無かった。

 散乱するガラスの破片を掻き分け救助隊の人が少女をひしゃげた車から引きずり出す。見知らぬ大人に抱えられ、マリは怯えた表情を浮かべる。徐々に遠ざかり、救急車に入れられそうになった彼女は甲高い声でふたりを呼んだ。


『やだッはなしてッ! パパ! ママ! たすけてッ!』


 救助隊の人の腕の中で彼女は暴れ、大人の肩越しに見える自分たちの車に向かって呼び続けた。はなして、ママとパパがまだいるの、と言い続けるも隊員は何も言わない。


 溶けはじめる視界の端に俺は違和感を見つけた。潰れて原型がわからない運転席と助手席から、微かに黒い霧のようなものが立っている。その正体に辿り着いた瞬間、俺は目を覚ました。


 瞼を上げ、ぼやけた視界を明瞭にしていく。目の前の手の影たちは変わらずそこに居て、じっと静止したまま動かなかった。ふと左を見ると、つらそうな表情をした泉が俯いている。記憶を覗く前に握っていた手が震えておさまらないみたいだ。


「……間違いないな、これで」


 影の手に添えていた右手を離し、泉にそう確認した。彼女も左手を下ろして頷く。


 独りで待っていたマリは、途中で寂しくなったようで黒い手のすぐ傍までに来ていた。泣き腫らしたばかりの腫れぼったい瞳でこちらを見つめ、心配そうにしている。


「マリ、だったな。お前の両親が今、どんな状態なのか知ってるか」


 目下の幼女に尋ねる。彼女は返事をしようとしたが口を噤んでしまった。

 それは何か、隠しているような顔だった。もしくは認めないとでも言うような。しかし、それではなんの解決にもならない。それでも俺は決定的な言葉を言い出せずにいた。


 事実というものはあまりにも残酷で、惨い。それから目を逸らし生きていくのもまたつらい。

 しかし逸らしたままでは、そこから何も学ぶことができなくなる。俺だって、あのがいなくなったことから何度も目を伏せていた。でも今は違う。


 ふと隣の泉が優し気に声を掛けた。


「じゃあマリちゃん、お父さんとお母さんの好きなところを教えてくれないかな。できるだけ、たくさん」


 その提案は下手をすれば相手の傷を抉ることになる。だが、彼女の声音で安心したマリは元気よく答えた。


「うんっいいよ! えぇとね、ママはあんまりおりょうりが上手じゃないの。でもね、いつも色んなところにつれて行ってくれるんだ! 車のうんてんはいつもママがするの。パパはね、なんでも作れちゃう。おかしもごはんもおいしいんだよ! またパパのクッキーがたべたいな」


 彼女の答えは絶えず続き、時に思い出に浸るように遠くを見つめ、時に演技をしてみせた。マリの両親はたいそう娘を可愛がっていたようで、週末はいつも何処かに出かけていたみたいだ。彼女もそれをとても楽しみにしていて、今回の水族館も心待ちにしていたらしい。


 するとピタリと彼女の口が動くのをやめた。我に返ったマリは俯いて、震えた声を漏らす。


「マリ、わるい子だったのかな……?」


 ぎゅうと、伸びてしまうほど強く自分の服を握りしめる。


「パパとママ、マリのこときらいになっちゃたのかな……? だから、いなくなっちゃったの?」


 その場にしゃがみ込み、マリは啜り泣き始める。何度もごめんなさい、と呟いた。


「そんなことないよ」


 隣の凛とした声に俺もマリも顔を上げる。向けた視線の先、泉はふわりと微笑んでいた。洗練された不純物のない純粋な微笑。


「だってほら、傍にいる」


 マリの両隣に浮かぶ黒い手の影。左手は指が太く角張っていて、右手は綺麗な曲線を描いている。彼等は幼女の頭を慣れたように撫でていた。


 言わずもがな、この手たちはマリの両親の念だった。死んでしまった彼等は、独り残した娘が心残りで成仏できずにカタチとなったのだろう。姿を変えても、娘が自分たちのことを両親だと気が付かなくても、守ろうという気持ちが強く残った結果なんだ。


 すべての事実に気付き、受け入れたマリは年相応の笑顔を両親に向ける。


「まったく、パパもママもかくれんぼ上手なんだから……!」


 念はいずれ必ず消えてしまう。まだ現世界に未練が残っていても、そうでなくても、一定期間しかカタチを得られない。

 当たり前だ、この世にずっと在るものなど無いのだから。


 桜の花弁が風に起こされ舞い上がる。夕闇の空の果て、見えなくなるほど遠くに飛ばされ消えていく。彼らの存在も薄れ、後ろの景色が透けて見え始めた。


 片割れ時、本当の別れ。


「じゃあね。パパ、ママ。げんきでね、マリはだいじょうぶだから」


 大きな両手は少女のかたちを忘れまいと、ぎゅうっと、優しく包み込む。氷のような冷たさだったはずの両掌は、とてもあたたかそうだ。感情の雫をぼろぼろ零しながらマリは、彼らと会話するように頷いて返事をする。

 大好き、大好きだよ。

 彼女は止めどなく言い続けた。


 彼らは輪郭だけの存在となり、やがて――――消えた。


 残された少女の目元に涙は無い。清々しそうで、さみしそうな表情を浮かべたまま空を見上げている。


 死というものを避けて通ることはできない。それが早いか遅いかだけの問題で、早く死ぬことが良いとか悪いとかが大事なのではない。

 この少女にそれが伝わっただろうか。……まだ、難しいだろうな。


 こんな幼い子供の傷を抉ってその痛みを利用し戦わせる魔女狩りを、俺は赦せない。それがどれほどの苦痛なのか、アイツらは知るはずがないだろう。無差別に他人を巻き込み、勝手に命を売り出している彼等に対話の余地など必要ない。

 魔女狩りを殲滅し、後に魔女の家系を途絶えさせ、この争いを終わらせる。互いの存在が無くなってしまえば、小競り合いも関係のない人の被害もなくなる、マリや泉のような存在を生まなくて済むんだ。それがどんなに長い道のりでも、絶対に諦めない。必ず成し遂げる。


 俺の父親と母親の、かたきを討つ為にも。


「千田くん? 泣いてるの?」


 泉の声に、はっと意識が戻る。何故か視界が変に歪んでいた。咄嗟に目元を拭うと、確かに涙が袖に染みている。

 どうして、だろう。涙が止まらず頬を滑り落ちていく。マリの件について感情移入したのか? 悲しいと思ったのか? 否、違う。理由は? わからない。


 すると唐突に、左手が強く握られた。あぁ、まだ繋いだままにしていたのか。にしてもかなりの強さだな。


「……痛い」

「あ、ごめん。でも――」


 そちらに顔を向けると、珍しく彼女は思い切り感情を表に出していた。なにか言いたげに口を少し開く。


「すごく、つらそうだったから」


 そんな顔を無意識にしていたのだろうか、気付かなかった。魔女狩りについて考えこんでいたら、自然と怒りが湧いてきたのかもしれない。それと、脳裏にちらついたあの過去に触れたせいか。


「心配かけたのか、すまん」


 手を解き、彼女の体温が離れていく。泉はそう、と言うと少し離れた幼女に視線を向けた。マリもこちらを見つめ返し、笑ってお礼の言葉を口にする。なんだか変だな、彼女が妙に大人びて見えた気がした。


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 その後、マリちゃんを親戚の家に送って無事に事件は解決した。時刻はもう七時を回っている。

 暗くなった上に現在地が私の家とかなりの距離があったため、特別に彼の箒に乗せてもらっていた。ぬるい風が頬を伝い、髪を流す。


 千田くんの後ろに、私は横を向いて座っている。彼は無言のまま正面を向き、箒の操作に集中していた。

 ふと彼が声を出す。


「今日は先に帰らせてすまなかった」

「いいよ別に。こちらこそまた助けてもらっちゃったんだし、ごめんね」


 再び、しんとした空気が下りる。風を切るのが心地良く、夏の夜を駆けていった。


「私、自分の身は自分で守れるように頑張るね。千田くんばかり負担をかけたら悪いし」


 そう呟くように言うと、彼がぴくりと反応した。しかし何も返答せずに箒を降下させる。家に着いたようだ。


 箒を浮かせたまま私を降ろすと、彼は軽く挨拶をして空へ飛ぼうとした。それを止めると、彼はあからさまに不満そうな顔をする。

 それを無視して私は言葉を音にした。


「自分の為だと思うけど……いつも助けに来てくれてありがとう。また明日」


 千田くんは少し驚いたように目を見開いたが、すぐに普段通りの目つきになって返した。


「礼なんていらねぇのに。

 ……ん、じゃあな」


 気のせいかな。飛び立つ瞬間、彼が笑っているように見えた。

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