幼馴染とゆったりと恋人同士の日常

二髪ハル

プロローグ 幼馴染

 桜が満開に咲く4月。俺、飯田いいだ 智樹ともき(21歳)は小説の担当者の永田ながたさんと一緒に打ち合わせをファミレスでしていた。

「では、今回の流れはこんな感じで良いですかね? 将磨しょうまさん」

「……はい」

青山あおやま 将磨しょうま。俺が小説かとして今、活動しているペンネームだ。

「それじゃあギア・オン! の3巻はこれをやる方針で直しとか修正などあったらまた後日連絡しますので、香恋かれんさんも連絡しておきますね」

「お願いします!」

「はい。こちらも頑張りますね」

 担当の永田さんは俺が書いた小説を茶封筒に入れバックの中にしまいこんだ。


 ギア・オン!


 今、俺が書いている3作品目として書いている作品の最中だ。

 幼い頃に遊んでいた少女が目の前で神隠しにあい。高校生になった主人公が彼女らしき姿を夢に見た。

 すると目の前にバケモノが現れ主人公を襲われるなかかって神隠しにあった彼女と遭遇した。

 そこで彼女を元の世界に連れ戻せることを判明した。

 主人公は彼女を連れ戻すと決意をしモンスターたちと戦う。

 といった流れで小説を書いている。

「いや、それにしても将磨さんの作品僕は好きですね。バトルのところとか迫力があって好きです」

「ありがとうございます……」

 こういった風に褒められると嬉しい……。担当さんだからといった感じなんだが、作品の方で参考になりそうな小説を貸してくれたら、アドバイスをもらったりとお世話になっているから力強い。

「それじゃあ……私はこれで」

 永田さんがそのまま会計を済ませに行った。

 さっきお金を払おうとしたのだが、経費で落ちるから大丈夫だと言われ。俺はハンバーグとチキンのグリル焼きを食べ、店を出た。


「ふぅ……食べた」

 腹一杯食べたのは久しぶりな気がする。いつもはカップ麺だからご飯なんて何ヶ月ぶりだろう……。

 いつもカップ麺なのは一人暮らしで料理が出来ないから仕方がない……。

 昔に頑張って料理道具などを揃えてやり始めたのだが、結果は不味い……。壊滅的に不味すぎた。

 米はビチャビチャでハンバーグを作ったが外は黒焦げで中は肉本来の味で食えたものじゃなかった。

 諦めて調理道具などは捨てて。そこからはカップ麺の毎日が続いた。

「……ふぅ」

 4月の春の夜は意外と冷え込む。

「早く帰ろ」

 

 ピコンッ!


「んっ?」

 するとメッセージの音が鳴り響いた。

「誰だ?」

 担当の永田さんか? なんかまた本を見つけたとか。

「…………えっ?」

 俺は驚いてしまった。そこに書かれていたのは知り合いでずっと親友だった名前『花』と書かれていた。

「……はな?」

 花。幼馴染で幼稚園の頃からずっと一緒で高校の卒業と同時に別れた親友だ。

 彼女のメッセージからこんなことを書かれていた。

『久しぶり智樹! 良かったら空いている日に会って話したりしない?』

「――っ!」

 嬉しい……久しぶりに花と話せると思うと頬が緩んでいるのがわかっていた。

『いいよ。じゃあ土日とかって空いているか?』

 すると返事がすぐに返ってきた。

『平気だよ。それじゃあお酒とかって飲める? 最近飲んで美味しかったからもし飲めたら飲まない?』

「マジか……」

 今更だけど俺と同じ21歳で酒が飲める年なんだよな……。

 ふと彼女の高校生の時の笑ってからかってくる顔が目に浮かんでいた。

「花と久しぶりに会えるのか……」

 さらに顔がニヤけているのがわかっていた。

『いいよ。会って飲もうか』

 数分後、花からメッセージが飛んできた。

『わかった! あとでまた連絡するね』

『はいよ』

 俺はそのまま自分の家へと帰っていった。

「……花か。すげぇ美人になっているんだろうな」

 俺は実際のところ花のことが好きだった。

「……」

 好きだった。

 すると彼女の声が聞こえてきた。

『智樹。ゲームしよゲーム!』

 いつも俺の部屋でゲームを誘ってくる。

 そして文化祭も、

『文化祭手伝って!』

 夜遅くなるまで学校のお化け屋敷の飾り付けを頑張り。

『清水って綺麗だったんだね』

 修学旅行で一緒に見た清水寺の彼女の笑顔が好きだった。

 やっぱり彼女の笑顔が好きなんだなと気持ちが溢れていた。

「なにを話すかな……」

 俺は自分のアパートに帰り、布団に寝たが花に会えるまで楽しみで寝れない日々が続いていたのは内緒にしてほしい……。

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