君のことをもっと知りたいから.......

パソコン

君のことをもっと知りたいから.......

彼女の名前は知らないけれど、彼女はきっとクラスで一番目立つ人になるだろうと思う。

それは僕の思い込みではなく、彼女の外見や振る舞いからも分かる。

教室の中で一人でいることは少なかったし、男子生徒に囲まれている姿はよく見かけた。

僕が彼女と仲良くなる日は来ないかもしれない。

それでも...。

僕は彼女に近づきたい!

そう思えたんだ。

この気持ちだけは本物だと思えたんだ。

僕はまだ高校一年生で何も知らなくても、これが初恋だということが分かった。

そして同時に思った。

こんな感情を抱いたのは初めてだから、僕には恋について知らなさすぎる。

だからこれから知っていく必要がある。

そう感じたんだ。

だから僕は彼女に近づくと決めたんだ。

僕は彼女の名前も知らない。

それなのに好きになってしまった。

これはおかしなことだ。

だけどもう止められないだろう?

だってこんなにも胸がドキドキしているんだからさ。

僕は恋愛なんてしたことがないけど、

もし好きな人ができたなら、その人に対する想いを伝えるのはそんなに難しくないはずだ。

だってたった一言伝えるだけでいいのだから。

よしっ!まずは名前が分からない彼女とお友達になろう!

それから少しずつ距離を縮めようじゃないか!!

そうして彼女と付き合うことができたなら、僕は彼女を幸せにしてあげられるだろうか??

想像できないな。

だって僕は彼女のことが好きだけれど、付き合ったことがないからさ!

とにかく今は友達になりたい。

そう思ったよ。

だから早速、昼休みに会いに行ってみようかな!

そう決めてからは早かったね。

僕はお昼を食べることも忘れて屋上に向かったんだよ。

そこで見つけた光景っていうのは、とっても美しいものだったんだ。

僕は思わず見惚れてしまったんだよね。

その時、僕の目に映ったものっていうのが、グラウンドにあったんだ。

とても綺麗に整備されたトラックがあって、そこで運動部が活動していたんだよ。

部活に所属していない僕にとって、そこはとても眩しく見えた。

「あ~!」そんな声とともに、グラウンドにいる一人の女子部員が僕の目に気づいたようだった。その人は僕に手を振っていた。

彼女が誰かは分からないけれど、とりあえず僕も手を振り返してあげたよ。

すると彼女は嬉しそうな顔をして大きく手を振ったあと練習に戻ったんだよ。

なんだか照れくさくって可愛い人だなっと思ってしまった僕だったけれど、それと同時にすごく羨ましくなったんだ。

どうしてあんなに輝かしいスポーツをする人たちがいる場所が羨ましいのだろうか!?

もしかしてそれは僕ではなく、みんながみんな同じ気持ちを抱えているわけじゃないのかな?!

そう思ってしまって......そしたら急に目の前が真っ暗になったような気がしたよ。今、この瞬間まで僕はそのことを忘れていたけどね。

そう、僕が今見ているものは夢だ!

そう、僕が今見ているものは夢だ!

現実じゃないんだ。でも、この光景は紛れもなく現実に起こってることだとも思っている。

だからこそ悲しいんだ。

だから僕は思った。

「あぁ、僕はなんて醜い存在なんだろう」とね。

僕はこんなにも輝いて見える場所にいながら何もしていないんだからっさ。

いや、できないんじゃなくてしないだけなのかもしれないな?

それに気づいてしまっているのかもしれない。

本当は気がついているくせに気が付いていないふりをしているだけなのかな??

まぁどちらでもいいよね。

そんなことより、今は彼女のことが気になるなる。

あの眩しい笑顔が忘れられないから、どうしても彼女を見つけようとしてしまう。

ああ、君は一体誰なんだい?

なぜ僕をこうまで惹きつけるのだろう???

知りたいという気持ちを抑えきれない!本当に知りたくなってくるよ。

どうしたら君を見つけることができるのだろか?君の名前を教えてくれ!!!!

しかしその瞬間にチャイムが鳴ってしまい、授業が始まることを教えてくれた。

どうやらもう休憩時間が終わりのようだね。

さて次は移動教室だし、急いで教室に戻ろうっと。

ん、今誰かの視線を感じたような......?気のせいだよね。

きっとそうだと思いたいけど、今の視線の正体が気になるなぁ............ま、いっか。気にしないようにして行こう。

こうして僕はその場を後にしたよ。

そして次の授業が始まってすぐに分かったことがあるんだ。

実はこの時すでに彼女が野球部のマネージャーだということが発覚したんだ。

しかも、どうやら部長さんが直々に勧誘したらしい。

これは大発見だっと思った。それから僕は彼女を観察しだした。

もちろんバレないようにだよ。

だってそんなことをしたら彼女に迷惑をかけてしまうかもしれないからね。

しょうがないんだよ。

彼女について知りたいんだ。

もし知ることができたら何かが変わるような気がするから.........。

僕はそれが怖いんだ。

変わっちゃったら今まで通りではいられないだろう。

そう思うと不安で仕方がなくなるんだ。

だからこのままでいいと思ってたんだけど、

なぜか日を追うごとに彼女のことを知る度にどんどん惹かれていくんだ。

もっと知りたいって思うようになる自分がいるんだ。

不思議だとは思わないかい?

自分でも分からないほど彼女にどんどん惹かれていってる自分に少し怖くなっちゃうぐらい不思議なんだよね。

なんでそうなったのかも分からないけど、とにかく彼女に近づきたくなっていくんだ。

そうしていくうちに僕の中の何かが変わっていくような気がしてるんだ。

でもその『なにか』がわからないんだけどね?

でもその答えを出すのはもう少し先でいい気がするから、

それまではこのままでいいかなって思ってるよ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君のことをもっと知りたいから....... パソコン @meganepapadoragondesu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る