最終話『ごめんなさい』


 キーラの想いが高まりしその時。

 星持ちとなれるほどの想いがそこに具現化したその時、デッドエンドに引き続き彼女も覚醒の時を果たす。



 ――はずだった。



「下らん展開はもう終わりとするがいい」



「ぐぎゃっ――」


「なっ――」


 唐突にエンウィディアの首が飛ぶ。

 舞い上がる血しぶき。

 エンウィディアはなぜ? と首だけの状態で目を動かし。


「なん……で……あなた様が……このような場所で……この場面で……」


 とある一点を見つめたまま、そうして息絶えた。



「ふん」



 男が居た。

 美しき金色の髪をたなびかせしその男は、心底つまらないといった様子でエンウィディアの首が落ちた場所へと何かを放り投げる。


 それは、メテオレイゲンの首領、エルハザードの首だった。


「なっ……え……なぜ?」


「おいキーラッ! 無事か!?」


「キーラ、大丈夫!?」


「で、デッドエンド様に……ナナさん? 本物ですか? しかし、あまりにも早いような……」


「ごちゃごちゃ言ってる場合じゃねえ。今は――」


 そう言ってデッドエンドは新たに現れた金髪の男に対し、拳を構える。

 しかし、勝てる気が微塵もしなかった。


「つまらない。あぁ、実につまらない……なぁ、そう思わないかね? この物語を紡ぎし神は実にセンスがない。貴公もそう思わないか?」


「は、はぁ? いや、何を言ってるんだてめぇ。っていうか、誰だ?」



 全身を淡く輝かせ、ただならぬ気配をこれでもかと放ち純白の衣装を身に纏いし金髪金眼の男。

 その男を表すならばそう、王という言葉が最もふさわしい。

 金髪金眼の王は現れただけでその場の者達の視線を独り占めにする。

 それは戦闘中であろうと変わらない。

 一挙手一投足見逃すなどあり得ない。それほどの脅威。

 シェロウの危機感知センサーは過去最大の危険信号を放っていた。



「ああ、自己紹介が遅れたな。失敬。私の名はシュテル・バサーム。この物語の一章の終わり頃に登場する予定だった者であり、メテオレイゲンの真なる首領だ」


「…………………………は?」


 物語の根幹に関わる事を言われ、デッドエンドの目が点になる。


「ちなみにエルハザードは私の代理だ。ああいう悪役の方が貴殿らの星は輝くだろう? 私の趣味は星を愛でる事でな。それでエルハザードには好きにさせていたのだが……読者にはつまらぬ展開だったようでな。PVも集まらぬしレビューという星もあまり集まらない。ゆえに、ここでこの物語を終わりにすることにした」


「え? いや、何言ってんの? いや、マジで何言ってんの!?」


「最後に私の星をも砕く秘儀を見るがいい。これにてこの世界は終焉だ。秘儀――」


「いやいやいやいや展開はやすぎだろちょっまっ」


「――シュテル・クライシス」



 シュテル・バサームが地面へと放つ一撃。

 次の瞬間、彼らの星は砕け散るのだった。


 Fin



★ ★ ★


 ごめんなさい。これにてエンドです。というか打ち切りエンドです。

 理由はシュテル様に代弁して頂きました。

 本作品の続きやら結末を楽しみにしてた読者様が居たならごめんなさい。

 

 この作品の現評価を見て続きを執筆する力が作者から消滅してしまいました。


 というわけで!!


 なんかこの世界もシュテル様に破壊されてしまったようですし、また別の作品世界でお会いしましょう!

 ではでは~~

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正道歩む元帝国軍人さんの無限覚醒物語 @smallwolf

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