花びらをふりまくような、鮮やかな恋物語

正統派の恋愛小説ですが、新鮮も感じさせる作品です。

細腕繁盛記的な部分もあり、それがこの異世界を身近に感じさせてくれます。
途中に差し込まれる花屋の仕事がリアルで、ある意味読みどころかと思います。

「花屋は力仕事」と言う主人公は「一見」普通の女の子です。
ですがそこはデコスケさまの書く主人公。
感情豊かで、達観していて、ちょっとずれていて……何とも表現しづらい「デコスケさんらしい」独特の雰囲気を感じます。
そしてそれを取り巻くキャラクターたち!
毎回大量の花(幻視)を背負ってやってくる騎士団長も、完璧超人でないところが素敵です。

小さな、手の届きそうな世界で繰り広げられる、花びらをふりまくような可愛らしい物語をお楽しみください。