あとがきという名の蛇足すぎる解説

 こんにちは、餅餅餅です。この度は拙作をお読みいただき、誠にありがとうございました。

 まずはじめに、本小説は「Art ippi」と「Prologe」のコラボ企画で執筆したものです。Art ippiへのイラストが先に投稿され、そこへ字書きが文章を付けるという、通常とは逆の過程を踏む企画です。テーマは「夏の終わり」でモチーフは「少女」となっております。

 今回私は、一つのイラストに対して、詩とラブコメの二つの作品を投稿しました。1話目の詩が本命(イラストの趣旨を忠実に汲んだもの)で、2話目のラブコメはその詩を踏まえた派生作品のようなもの、遊び心を込めたオマケとなっております(私がラブコメを書くと、ハピスパの二人っぽくなる……笑)。


 さて、私が初めて詩を書いたこともあり、きっと伝わらない点も多くあるかと思いまして、「餅はこんなことを考えて書いたよ」という超蛇足な筆者解説を付けることにしました。「大丈夫だ、餅の言いたいことはちゃんと伝わってるぜ!」という方は、そっとじしてください。詩の解釈は読んだ人それぞれにあるもので、正解などありませんから。



~以下、詩の解説~


色めき始めた木々が葉ばたき

白いうろこは青空をがれゆく

すでに鳴くものは無く


 順に紅葉の始まり、うろこ雲(秋の空)、セミ。どれもテーマの「夏の終わり」を示しています。


こぼれる雫が水面を揺らす


 夏から秋へ巡りゆく自然の情景の美しさ、そして去りゆく夏への寂寥感から、少女(夏の精)が涙をこぼしています。ひと夏しか生きられないセミに、自身を重ねているのもあります。他にも、木の葉から垂れた水しずくが落ちていると解釈しても風情があって良いですね。


その美しきを届け

その美しきを受く

それは巡るものへのはな

それは廻るものへのはな


 彼女は使命(宿命?)から美しい夏を届け、その行く末を最期に受け取っています。それは巡りゆく季節・自然に華を添えて次(秋)へ繋ぐことであり、また最期に映る美しい情景は、その使命を全うし来年の夏へと廻っていく彼女へのはなむけや労いとなります。


白めき始めた髪が羽ばたき

しろうろは蒼空へと沈みゆく


 自然に色を与えた代わりに、力を失った彼女の髪は色を失って白く変わり、身体もすでに伽藍堂となっています。イラストから分かるように水面には青空と雲が映っており、その蒼い水底=青空へ向かって白い髪の翼を広げ召していきます。

 実はこのイラストはハムレットの絵画オフィーリアのオマージュでもあり、戯曲のように彼女は水の中へ消える運命でした(ラブコメの方は、意固地な自分を捨てた)。


すでに泣くものは失く

れいなる雫が水面を揺らす

またお愛しましょう


 涙をこぼした彼女が沈み去ったあとには、零なる雫(空っぽの彼女の最期の想い)が残され、水面を揺らします(水面が夏代表として敬意と感謝をもって応えたとも)。季節が巡り、同じだけど違う彼女が廻り会ったときには、彼女はまた美しい夏を届け、それを愛すことでしょう。




 さて最後に宣伝ですが、普段私は超長編ラブコメ小説を書いております。


「ハッピースパイラル ~幸せを紡ぐ旅~」

https://kakuyomu.jp/works/16816452220140659092


 ラブコメ×ミステリー×現代ドラマと、欲張りジャンルな一風変わった純愛ラブストーリーでございます。今回のおまけラブコメのような雰囲気の作品がお好みでしたら、ぜひお越しくださいませ。 

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ナツノセイ ナツノハナ 餅餅餅 @mochimochinomochiR

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